2013年11月14日木曜日

四国プチ遠征(その2)

佐喜浜漁港を後にしてR55を北上、野根漁港を目指す。

途中には民家が一軒もなく、国道沿いにただただ地磯に太平洋の荒波が打ち寄せるだけのエリアがある。

そこを黙々と歩く、歩き遍路の人たち。

みな一様に厳しい表情をしていた。

観光バスからわらわら出てくるような、普段着に笈摺を引っ掛けただけのような人はおらず、足元こそスニーカーながら、みな正式な白装束に金剛杖、菅笠に頭陀袋と本格的なもの。

中には外国の人もいたりして、さすが四国だなぁと。

後から調べて驚いたが、途中に鯖大師や東洋大師などの番外札所があるものの、一番近い23番札所、日和佐の薬王寺から、次の24番札所、弘法大師が悟りを開いたとされる室戸岬の最御崎寺までは78kmもある。

かつて野根の伏越ノ鼻から入木の集落へ至るあたりは道らしい道もなく、漬物石大の転石が転がる海岸が延々と続く「淀ヶ磯四里」と呼ばれる難所だったと言う。

そんな難所も今は立派な国道が通り、途中の宍喰や野根あたりには宿泊施設もあるけれど、この距離を金剛杖を頼りに歩くのは、普段から鍛えている人にとっても結構大変なことなんじゃないだろうか。


道端の植え込みに赤い花が咲いていたので、今の時期に何の花だろうと思ったら、意外やハイビスカスだった。

こちらでは6月に咲き始め、なんと11月まで咲き続けるという。

もはや朝晩の冷え込みも厳しくなっている時期というのに、さすがは南国だなと。


野根漁港に到着し、奥まったスロープで釣っていると、スクーターのおじさんに「海でフライする人を見るのは初めてじゃ」と話しかけられた。

「フライならアメゴ釣ったほうがええがじゃろ」と言われたが「釣りたいけど、もう禁漁やからねぇ」と答えると、ほうじゃったなと納得していた。

今回の釣行で距離感は掴めたし、距離的にも日本海側へ行くのと変わらない気がしたので、来シーズンはちょっと探釣してみてもいいかもしれない。

結局野根漁港では小さなメッキが一匹追いかけてきただけで、さらに口の小さいベラの猛攻を受けてフライがぼろぼろにされたので、とりあえず移動することにした。

流入河川がなく攻めどころが掴めない上、国道から港周辺へのルートもよくわからなかった甲浦や、工事で港への立入が規制されていた宍喰はとりあえずパス。

途中、道の駅へ寄ったり、セルフのうどん屋を探したりしながらさらに北上。

やがて海部川河口にある鞆奥漁港へ。

ここは駐車場もあり、河口も近いのでしばらく粘ることにした。

港内では反応がなかったので、どんどん沖の方向へ進んで、イカの墨跡が残る堤防へ。

既に適当に巻いていたポッパーは激しい使用でぶっ壊れて使い物にならなくなっていたので、堤防沿いにクラウザーミノーを引くと、佐喜浜で見たものより良型のメッキがわらわらと湧いてきた。


ここならいけるかもしれない。


しばらくするとまた姿が見えなくなったが、より潮通しのいい一段高いところへ上がってキャストすると、またフライの後を追尾してくるのが見えた。

ここで満を持して鹿児島の塾の先生考案?のメッキ用ストリーマーを投入。



(ただしクラフトファーがなかったのでポーラベアを使用)

そして単なる高速引きだけではダメっぽいので、食う「間」を与えてみることに。

手繰るスピードにメリハリをつけ、またロッド操作も加えると、ついにフライがひったくられた。

せいぜい20センチ程度に見えたが、引きの強さは同サイズの他の魚よりよほど鋭角的でよく走り、6番ロッドは弓なり、手繰ったラインがあっさり持っていかれる。

なるほどこれは病みつきになるわけだと納得した。

目のいいメッキに対応すべくティペットは5X、また海面から距離があるので無理はできないが、フロロの強度と何度も確認した結びを信じて、ようやく水面まで上がってきたメッキを抜き上げる。

ヤター!ヤッタ!ヤタヨー!(コロスケ風)
ハジメテーノー♪ ←はしゃぎすぎ
写真ではあまりわからないが、胸鰭が黄色いので、おそらくカスミアジの幼魚だろう。

ファイトで疲れたのか、鳴き声を発することもなかったので、急いで写真を撮ってリリース。

しばらくぼんやり水面近くを漂っていたが、やがて底へ向かって力強く帰っていった。


今のファイトで魚が散ったらしく、その後は追ってこなくなったので移動。

浅川港ではスロープを攻めたが無反応、牟岐では波止の先端のテトラからキャストしなければならないようなのでパス。

日和佐まで来るころには空腹が限界、やっとセルフうどんを見つけて大を掻き込んだ頃には既に夕闇が迫り、阿南に取った宿までの時間を考えると納竿せざるをえなくなった。

宿に入ってからも阿南近辺の港の常夜灯周りを攻めようと出かけたが、風雨が強くなったので結局断念した。

一匹とはいえ念願のメッキが釣れたので、丸坊主だったGWと違って一応課題はクリアしたものの、事前調査が不十分だったこともあり、やや消化不良に感じる釣行だった。

今度来る時は日和佐を中心に釣行するか、いっそ高知県内で先泊することを考慮しようと思う。

2013年11月13日水曜日

四国プチ遠征(その1)

3年前のメッキ当たり年に乗れず、それ以来メッキに会いたくて淡路島の港に通っていたものの、結局いまだ出会うことさえ叶わず…。

で、今回思い切って四国へ足を伸ばすことに。


本当は月始めの連休を当てたかったんだけど、残念ながら仕事で潰れてしまったので…。


まずは過去の情報をネットで検索。

鳴門あたりから既に情報はあるものの、やっぱり本来南の魚だけに、黒潮の影響が強ければ強いだけエンカウント率も上がるみたいで、徳島南部~室戸周辺まで足を伸ばしたほうが良さそう。

とりあえずの目標を室戸岬の手前あたりに設定して、移動時間はどんなもんだろかとgoogle mapのルート検索で調べたら、全行程210km、4時間もあれば着くと表示された。

「ふーんそんなもんなんだー」と暢気に考えていたものの、いざ出発直前にカーナビで調べたら、5時間以上とか出て、運転席で思いっきり声出して驚くことになるのだが…。

PAで休憩しながら交代もせず東京まで日帰り往復とか、昔はかなり無茶なこともしたけど、さすがにもう体力的に厳しいし、無理して事故ったり体調崩すのもアレなので、無理せず一泊することに。

天気を調べたら、運悪く日曜は朝から雨の予報。

結局のところ金曜の夜中に出発、土曜のうちにみっちり釣りをして、日曜の早朝には本土へ帰るという強行軍は変わらず。


とにかく金曜は帰宅後に風呂とメシをさっさと済ませて仮眠…の予定が、毎度ながらのドタバタ泥縄状態で、ろくに仮眠も取れないまま、しかも日付がすっかり変わった後で出発するハメに。

気合一発レッドブルをキめて出発、途中のPAで寄って来た猫をもふり倒したり、いつの間にかANNのパーソナリティになっていた宇野常寛のまどマギ劇場版ネタばれを聞きながら、高速を降りるころには既に5時台。

日中は混雑するという徳島市街地も、さすがに早朝はさほど混んでないけど、どう考えても現地に着いたところで朝マズメは微妙な感じに。

ここで目的地を手前の日和佐あたりに変更する決断をしていれば、なんとか朝マズメは楽しめたかもしれないのに、変更できないあたりがダメだなぁと。

結局だらだらとR55を走り続け、浅川あたりで既に7時前。

まあ朝日なんて撮ってる暇に釣りしろよって話なんですが

1時間に一度、10分程度の休憩は欠かさず挟みながら、迫り来る眠気に負けそうになりつつ、なんとか室戸市へ突入、かなりギリギリの状態で佐喜浜漁港へ辿りついた。


余談ながら、佐喜浜は狼にまつわる怪異の伝説が残る土地でもある。

「佐喜浜の民話 1 鍛冶ヶ嬶(かじやかか)の話」
http://www.kochinet.ed.jp/muroto-l/2005/new/tiiki/minwa/sakihama/kaziya.htm


時間は既に8時前、もはやマズメもへったくれもないけれど、太平洋の潮風を浴びると眠気はあっさり吹っ飛んだ。

岸壁から海面を見てみると、時折何かに追われて小魚の群れが跳ねている。

すっかりテンションが持ち直したので、早速道具を用意してポッパーをキャストしてみると、高速で追跡する複数の菱形の魚影が。

数投すると追ってこなくなったので、クラウザーミノーに変えてみると、今度は足元まで追いかけてきた。


見えていた魚影は、全て縞模様も鮮やかなメッキだった。

淡路島だと群れで追いかけてきたのはクサフグくらいで、ここまでメッキをしっかり目視できたことは一度もない。


実を言えば、もうこの時点でかなり満足してしまっていたが、とりあえず釣り上げないことには話にならないので、なんとか食わせようと高速リトリーブやカウントダウンで試行錯誤。

が、例によって「追うけど食わない病」が再発。

リトリーブをやめて落とし込むと、フライの周りをまるで踊るように追いかけるが食わない。

メッキはかなり目がいいそうで、あれだけ高速追尾しながら観察されれば食わないのも納得。

夜釣りの外道だったんだろうか、岸壁に打ち捨てられて干からびたウチワザメやハリセンボンでテンションを維持しつつ、手を変え品を変え10時前まで粘ってみたけれど、結局一匹も釣ることはできなかった。

ただ、魚影の濃さは間違いないので、また日を改めて攻めさせてもらうことにして、とりあえずR55を北上しながら、途中の漁港や河口を釣っていくことにした。

2013年9月22日日曜日

さらに淡路島&自作ハイポジシートの検証

ぶっちゃけ釣り禁と水抜きだらけで消耗するばかりの東播を回るより、橋渡っちゃったほうが手っ取り早いんだもん。

それにしても、ETCカードを作ったのは失敗だったかもしれん…。


今日も今日とてのんびり出発、最初の池の周辺には9時ごろ到着。

しかし最初の池は、土手に釣り禁止の看板があったのでパス。

先週最後に覗いた池を目指すも、わらわら先行者グループがいたのでパス。


次はどこへ行こうかねぇ、とNexus7をいじると圏外の表示。

比較的民家の多いエリアへ移動しても、やっぱり圏外。

うちはIIJmioのSIMを使っているので、山間部とかのFOMAプラスエリアでは繋がらなかったりするんだけど、それにしたっておっかしーなーと思ったら、設定がwi-fiのままだったことに気付く…。


気を取り直して調べると、すぐそばに中規模河川の河口があったので、ちょっと寄り道。

40cmクラスのチヌが数匹うろついているのが見えるけど、さすがに警戒心が半端ない。

ならばとおチビさんたちにちょっかいをかけてみても、例によって追うけど食わない。

追い方はギル並みなんだけど、あと一歩で踏みとどまるところを見ると、環チヌ1号でもでかいのかもしれない。

以前どこかで18番とか見かけた気もするけど、#6で投げるとなると解禁直後のシラメなみの繊細さだなぁ…まぁアジングならそのくらいは普通に使ってるか。


再び山の方へ移動して、比較的大型の野池を覗いてみるものの、築堤当時のままと思われる垂直の土壁で、ちょっとフローターは降ろせそうにないのでパス。

次に覗いた池も同じような土手の形状で、もはや板チョコ型護岸じゃない池を探すほうが難しいと思っていたけど、なんのなんの探せばまだまだあるんだなぁと。


ちょっと離れてるけど、以前web情報で「フローター向き」と書かれていた大きめの池があるので、そちらへ向かうことに。


途中ファミマに寄ってミクくじを引くと、またステーショナリーセットが被った…。

今回のくじは以前よりも残っているみたいだねぇ。

まぁこの夏はイベント尽くしだったし、回数を重ねると、どうしても新味は薄れるから仕方ないか。

それにしても、淡路のファミマってなんかルカの横断幕を掲げた店が多い気がする。

…淡路だけにタコか、たこルカなのか。(多分違う)


細い細いコンクリ敷きの山道で対向車をやり過ごしながら、なぜか牛糞だらけの池の土手から覗いてみると、板チョコ護岸の向こうに見慣れたつま黒の尾鰭が見えた。

見回しても改修工事の石碑があるだけで、釣り禁止の看板はない。

「よっしゃ、ここなら大丈夫だろう」

日射しは強いけど空はすっかり秋

昨晩作った自作ハイポジションシートの具合を確認しながら入水しようとすると、いきなり護岸でズルッとフィンが滑った。

なんじゃ!?と思ったら、護岸の凹んだ部分が上下対称ではなくて、雨水やゴミが溜まらないようにしているのか、くぼみの下側の角度が甘く作ってある。

こりゃ上陸時も難儀するかなぁ、と思いつつ、今の騒ぎでもウェーダーには一切浸水しなかったので、不恰好な自作シートでも、一応それなりの効果があることは確認できた。

やがて土手の上にはHeddonのステッカーを貼ったbBが。

出てきたお兄さんはしばらく弁当をパクついていたが、そのうちウェーダーを穿きだしたので、追いつかれないように西岸から池の奥へ進む。

先週同様日射しはきついし、ツクツクホーシはまだじゃんじゃん鳴いている。

しかし、この池が山頂近くにあって、結構な深さがあることを差し引いても、水が冷たく感じる。

それなりに捕食パターンも変化してきているようで、そこらじゅうがカバーだらけながら、覆いかぶさった木の枝の下からは何の反応もない。

立ち木なんかの目立つストラクチャーだけを打っていくが、やはり無反応。

どうもここはギルが少ないらしく、いつものようなチュパチュパポイントにも出会わない。

やがて池の一番奥まったところへ。

淡路島では何箇所か存在するのだが、この池は満水になると、さらに奥にある池と繋がるような構造になっていて、その仕切り堤の上が矢竹とアシの藪になっている。

先週のことを思い出して、藪ギリギリのところへポッパーをキャストすると、着水と同時に吸い込むようなバイト。

しっかり掛かったようで、ごんごん底へ突っ込む。

30cm弱の元気な奴

例によって尾鰭からリリースしてみたら、やはり活性自体は高くないらしく、そのままスーッと沈んでいった。

少し離れたところ、土手が切れて、奥の池が見通せるポイントへ。

一面ヒシやコウホネだらけの奥の池からは、時折「ガボッ」とか「バフッ」とかいう音がする。

ライギョでもいるのかな、と思いつつ、土手の切れているあたり、水中からパラアシが生えているところへキャスト。

ポコンと一回アクションさせたら、また吸い込むようなバイト。

先ほどの奴と同様に、こいつも底へ底へと突っ込む。

若干サイズダウン

ふとbBのお兄さんが気になり振り返ってみると、東岸のオーバーハングの奥へ、ジグかワームをしきりに打ち込んでいた。

こちらはオーバーハングを軒並みパスしてきたのもあって、出発はそれほど違わないはずなのに、ペースにかなり差がついてしまっている。

まだまだ距離はあるけど、そのうち鉢合わせするなぁ…こういう場合は譲ったほうがいいのかな、などと考えながら、最奥から折り返したあたりの岬の先端で休憩。

やがて、お兄さんがこちらを気にしているなぁと思ったら、堰堤のほうへ戻り始めた。

自分が今いる岬の反対側には、流れ込みのある美味しそうなワンドがある。

遠慮しなくていいですよーと声をかけたくても、いくらなんでも距離が遠すぎる。

こちらが戻るべきだったのかもしれない。

とはいえ、譲ってもらった(?)ポイントをスルーするのも忍びないので、申し訳ないと思いながら攻めさせて頂くことに。

期待いっぱいで攻めた流れ込みはオーバーハングの真下で、案の定トップにはまるで反応なし。

少し離れたところにまた矢竹の藪があったので、ギリギリにキャストするとまた吸い込みバイト。

先ほどより水深がないこともあって、右へ左へ走り回る。

だいたい同じくらい

そろそろ西日が強くなってきて、攻めている東岸にモロに直射日光が当たる。

こうなると日陰もクソもないので、さっさと堰堤のほうへ戻ることに。

堰堤そばにも水際の藪があったので、試しにキャストすると豆アジサイズのバスが釣れた。


さて、ようやく堰堤に戻ってきたが、問題は上陸。

最初はフィンの勢いだけで上陸しようとしたけれど上手くいかない。

仕方ないのでまずロッドを堰堤に置き、とりあえず片方のフィンを外す。

ブーツフットの底はフェルトになっていて、これだと角度の甘いコンクリの上でも滑らない。

ただ、両足ともフィンを脱いでしまうと、バタ足で勢いがつけられない。

エプロンを外して片足で踏ん張り、もう片足のフィンで思い切り水を掻いて、その勢いでえいやっとフローターごと堰堤に乗り上げて上陸完了。

堰堤に腰掛けて残りの足ヒレを外すと、ホッとして一服。

ハイポジシートの霊験あらたか、これだけザブザブやっても浸水はしなかった。

今シーズンのフローターはこれで終了かなぁ、と思いつつ撤収。


帰り際、先週覗いて返り討ちにあった河口でリベンジということに。

既に時刻は夕方、相変わらず浅いところではチヌやフグに混じって小バスがうろついている。

汽水域では今週もやっぱり相手してもらえないので、思い切って最下流へ。

市場の大根くらいあるボラに混じって、小型のアカエイがひらひらと泳いでいる。

(とりあえず狙ってみたけどスルーされた…)

メッキでもいないかなぁとミノーの早引きを試すと、後ろからじゃれつく魚影。

何度目かでフッキングできたので、引き上げてみると20cmほどのセイゴ。

写メを撮ろうとしたら暴れて自分で水中へ帰って行った…。

懲りずにしばらく遠投を繰り返していたら、ようやく二匹目がヒット。

斑点があるけどマルセイゴ

一応ボ○ズではなくなったけど、やっぱりチヌは追うけど食わない状態のままなので、リベンジ自体は未達。

もしや横着してバス釣りのリーダーをそのまま使っているのが悪いのか?(←気付くのが遅い)

そういえば、以前寝ぼけてうっかり消してしまったセイゴ爆釣の記事が、ちょうど今頃だった気がする。

相変わらずメッキに未練はあるものの、西浦から東浦へ転進するほどの体力も気力ももう残っていなかったので、そのまま高速に乗って帰ることにした。

三連休の初日、お彼岸ということもあってか、そこらじゅうに他県ナンバーの車。

慣れない長距離運転でお疲れだったのか、妙にふらつく車が何台もいて怖かった。

2013年9月20日金曜日

ハイポジションシート自作に挑戦

前回の釣行で、またもやウェーダーの浸水が発覚したので、もはや再修理は諦めることに。

以前の浸水の際に、予備のウェーダーは一応買ってあるのだが、こちらはこちらで問題が。

これまで使ってきたものは脇のすぐ下まで生地があったものの、このウェーダーはあばら骨の真ん中あたりまでしか生地がない。

以前代打要員としてこいつを起用した釣行では、キャストなどの際にちょっと姿勢を崩しただけで、その脇の部分から浸水してしまったため、それ以来使っていなかった。

もしかして、喫水位置が高くなれば問題ないんじゃないか?ということで、今使っているフローターの純正ハイポジシートを探してみるものの、本体が既に廃番になってかなり経っているし、現行品は軒並みハイポジシートが標準化されていることもあって、もはやオークションにすら出回らなくなっていた。

他社製のものが流用できるかな?と検索してみたら、こちらも評判のよかったものは廃番になっていたり、現行品でも厚みのわりに結構よいお値段だったり。

まぁ要するにEVAとかで座布団ライクなものが固定できればいいわけで、自作している人も何人もいるし、ここはちょっと自作してみようかと。

週末の釣行に間に合わせるため、通勤路から少し外れたホームセンターに寄って、シャワーマットを二枚と、長さを調整できるマジックテープを買ってきた。

こんなやつと
こんなやつ

意外にマジックテープが高くついてしまい、しめて4000円弱。

おのれク○レめ、独自特許に胡坐をかきおって…(大げさな

このマジックテープも、最初はゴムバンドを想定していたが、丁度いいものが見つからなかったので…ゴムバンドだったら、もう少し安く済んだかも。

作る手間を考えると、他社の安いものを買うのとあんまり変わらないかもしれない。


シャワーマットのちょうど真ん中をカッターでばっさり切り、上下をあわせて角をもう一枚と同じ形になるよう切り取り、もう一枚も同じように加工して、44×30の小さな「D」を4枚作る。

これをマジックテープで結束し、さらにマジックテープでフローター本体に装着。

本当なら各パーツもきちんと固定するべきだけど、縫いつけ作業が面倒だったので省略。

切り口がザクザクだけど、これを微調整していくとドツボにハマるのが見えているので適当に。

こんな感じに
マットの厚みが2cmなので、計8cmほど座面が高くなる予定。

体重や座席部分の遊びでいくらか水面下になるとしても、これだけあれば脇からの浸水は防げるだろう。

2013年9月15日日曜日

またまたまた淡路島

今更ながら、すっかり釣りブログになってしまったなぁ。

元々はボカロ関係をちまちま書き残していく予定だったのに。

冒頭の文章を書き直したほうがいいだろうか。


盆休み明けから続いていたハードワークが一段落したので、久々に浮いてみようかと。

とはいえ疲れもあって体調は万全ではないので、朝はいつも以上にゆっくり出発。

台風接近で久しぶりに蒸し暑さが戻ってきたのもあってか、セミが元気いっぱい鳴いていた。

それでも早場米の収穫でお百姓さんが忙しそうに働いていたり、標高によっては曼珠沙華や萩の花が咲いていたりで、しっかり季節は進んでるなぁと。


最初に訪れた大規模な池は水質こそ良いものの、やけにオタマジャクシがたくさんいて、どうもバスの気配がしなかったのでパス。

次に訪れた山中の小さな池は、小バスの姿を確認したものの、なにわナンバーのでっかいワゴンが土手への道を塞ぐように駐車して、中から如何にもガラとアタマの悪そうなのがわらわら出てきたので、関わりあわないようにパス。

その次は、道沿いから車椅子のバサーが釣りをしていて、健常者が沖から邪魔するのも申し訳ないのでパス…まあフローターを降ろせそうな場所も見つからなかったんですが。

さらに次、規模は大きめで駐車場にトイレまで完備という好条件ながら、バスクリンでも投入したんかという水の色をしていたので、とてもじゃないけど浸かる気になれずにパス。

そこからしばらく坂を下ったところにある池で、ようやっと浮かぼうかという気に。

とりあえず名古屋ナンバーのエクストレイルの人が先行していたので、邪魔にならないよう様子を見ながら準備。

やがてその人が撤収して行ったので、エントリーすべくウェーダーを穿いて準備していたら、すぐに別の二人組が。

細い農道とはいえ道沿いにあるこの池はランガン途中に寄りやすいんだろう。

「奥の方を攻めるつもりなんで、先に攻めちゃってください」

二人は両角のオーバーハング付近を攻め始めたので、堰堤のちょうど真ん中あたりから進水。

ここは小規模ながら典型的な谷池型で、オーバーハングが両岸に続いている。

事前情報では、よくフローターで攻めている人がいるという話だったので、そこそこ厳しいかな?と思いながらしばらく攻めていたが、手前側ではギルすら出てこない。

池自体も満水状態で、オーバーハングと水面の差がほとんどないのでキャストしにくい。

選択ミスったかなぁ、と思い始めた頃、オーバーハングが途切れて、部分的にアシの壁が出来ている場所があった。

いるとしたらこの変化かなぁ、と思っていたら、ちょうどアシの壁に向かって微風が。

ワプシのフォームで作った小型ポッパーをぎりぎりにキャスト、ポコン、ポコンとやった直後にガボッ!と出た。

しばらく小バスとばかり戯れていたのもあって、久々にラインを絞り込まれる。

リールファイトしなければならないほどではないにせよ、突っ込むわジャンプするわで大暴れ。

池の水を全身にしこたま被った。

30センチそこそこ。柄がフロリダっぽい
口にちょっと傷があるところを見ると、何度か釣られているんだろう。

例によって尾びれの方からリリースすると、跳ね上がってまた思いきり水をぶっ掛けられた。

一服して余韻に浸った後、お茶を含んでからそのまま同じポッパーをキャストしたら、また何か掛かった。

今度はろくに抵抗もせず水面を滑ってくる。

・・・。
「貪欲すぎるやろキミぃ…」

他にも魚影は見えたものの、ヒットしたのはこの二匹だけで、結局水面には出てくれなかった。

転進しようと一旦上陸、ウェーダーを脱いでみたらまた浸水したっぽかったので、とりあえず浮かぶのはこれまでにして、事前情報だけ仕入れたままの池をいくつか見て回ることに。

某サイトで有名野池と書かれていた山奥の池は、土手上に魚釣り禁止の真新しい看板が掲げてあったり、車の音を聞いて近くの家から出てきた人に睨まれたりで断念。

次に寄ったフローターに良さそうな大き目の池は、えらく水質がいいなぁと思ったら、真新しい改修記念碑に2年前に堰堤の工事をしたと書いてあった。

他いくつか目星をつけていた池を見てまわった後、以前コトヒキを釣った河口へ。


前回と違って今回は潮周りがあまり良くないので期待していなかったが、偏光で覗いてみると小チヌやセイゴがチラホラ見える。

とりあえず小型ストリーマーやエビ系フライをキャストするものの、着水のたびに小ボラが怯えて逃げ惑うので釣りにならない。

そのうち尻尾の先が黒いセイゴのような魚が、目の前を高速で行ったり来たりしているのが見えたので、コトヒキにしちゃ変だなぁ、とよく見てみると、意外にもバスだった。

接近中の台風による増水に備えて、少し上流にあるゴム堰堤を撤去したようで、そこに溜まっていたバスが汽水域まで下ってきたらしい。

メッキ用にと巻いたシンキングポッパーには何度かバスがじゃれついてきたが、結局また汽水の魚には「追うけど食わない」焦らしプレイをやられ、いい加減疲れも限界だったので完全撤収とした。

どうも小チヌには黒いフライのボトムズル引きが良いらしいので、また巻いておかにゃ。

2013年8月5日月曜日

またまた淡路島

しばらく会社の行事とか遠方の知人宅訪問とかで、まともに釣りにいけなかった。

いい加減毎日暑い日が続いてうんざりしていたので、そろそろ浮かぶかということに。

そして、はるか太平洋を越えてこんなものも届いたので、オカッパリで使ってみようかと。



ETCカードを入手してから、高速に乗るのを躊躇しなくなっていいのやら悪いのやら。

道具一式(特にロッドはきちんと確認)を積み込んで、自宅から1時間弱で南あわじ市周辺へ。

しばらくまとまった雨が降っていないのもあって、どの池もあまり水質はよろしくなさそう。

例によって地図や過去の情報なんかを参照しながらなので、道が消えていてたどり着けなかったり、頑丈な柵で囲まれていて岸辺に近づけない池にぶち当たりながら、いくつ目かの池へ。

ここは比較的水質も良いし、車も近くに止められるので、そそくさと準備してエントリー。

・・・かなり人が入っているのか、車周辺の藪がえらく小便臭かったのが気になるが。


土手の際からいきなりミニバスがわらわらいるので、期待しながらオーバーハングを狙う。

何度か派手に出るものの、小型ポッパーながらちっとも乗らない。

ギルポッパーでようやく掛かったと思ったら、金魚サイズのバスで苦笑い。

それにしても、小バスの量に対して大型の気配が全くない。

本来なら大型のエサになるサイズがこれだけいるのだから、大型自体が少ないのか?

ついでにギルもいないので、過去に水抜きされたのかもしれない。

結局10cmクラスのミニマムサイズを何匹か釣って、午後6時を回ったあたりで納竿。

他人はどうか知らないが、自分は日没後に一人で人気のない池に浮かぶような度胸はない。


で、上のラインクリッパーを帰りがけの池で試してみたが、ちょっと慣れが必要かなと思った。

何より一定の距離をキャストしないと、クリッパーの意味があまりなかったり。

至近距離を狙うことの多い釣り方では、ちょっと使い方を考えないとダメかも。

ただ道具そのものとしてはラインバスケットを使うよりお手軽でいいと思った。



翌日もまた懲りずに早朝から橋を渡る。

目的の池はといえば、近隣の集落総出で草刈りの真っ最中。

さすがに気が引けるので、GWに不満の残った池へいくことにした。


途中の道は民家から離れていることもあって、草が伸び放題。

何度も通った道ながら、ほんとにここで合ってるのか?と疑心暗鬼になりながら進む。

ようやく土手の脇にたどり着いたら、ウシアブの群れがコンコンと車に特攻を仕掛けてくる。

虫除けをたっぷり塗って準備万端、樋の横の階段からエントリー。



さすがにこれだけ気温が上がってくると、GW中はほとんど反応のなかったポイントからじゃんじゃんギルが出てくる。

フライに釣られて日陰から出てきて、フローター周辺にまとわりついてくるのも見慣れた景色。

GWに危惧したことは杞憂だったらしい。

しばらく小バスとギルの共演を楽しむ。



 

 釣っても釣ってもサイズが伸びないのはいつものこと。

やがてヒシ藻地帯で散発ボイルが始まったので、ポッパーの早引きで何匹かキャッチ。

フライを結び変えたり、釣ったバスを放したりしているうち、足元にヒシ藻が絡まっていた。


邪魔なので、足ヒレを動かして取ろうとしていたら・・・

あっ・・・。
なまじ水質がいいので、水底にゆらゆらと沈んでいくフィンが見えた。

安物なのもあって、水に浮いたりはしない。

ケチらずにフィンセーバー買えばよかったなぁ。


「さて、どうしたもんか…」

しばらく思案しつつ、片足だけのフィンで同じところにぼんやり浮かんでいたのだが、そのうち残ったほうのフィンまでポロリと。

「あかーん!!」

運が良かったのか、足先を突っ込む部分に空気がたまっていたようで、ぷかりと浮いてきてくれた。

さすがにこれを失うと帰着の術を失うので、必死になって再び沈みかけのフィンを拾う。

一応試しに両足そのままで水を蹴ってみたが、そりゃもう微塵も進まない。

仕方ないので片方を改めて装着しなおして、ドルフィンキックでエントリー場所へ戻る。

足元には何だ何だと興味津々なギルの群れが。

ええぃ今は邪魔だからあっち行ってなさい。

出発時の何分の一かの速度、そしてままならない進行方向、沈する心配はないものの、気ばかり焦ってイヤな汗がどんどこ出る。

たまたま堰堤方向への風が吹いてくれたのもあって、なんとかかんとか帰着。

さっさと道具をたたんで家に帰った。


さて、帰宅後にウェーダーを洗おうと広げたら、表面を小さな虫が動いている。



なんじゃこりゃ、クモか?


どう見てもダニです本当に(ry


あわてて殺虫剤をぶっかけて昇天して頂いた。

他にも衣服に着いていないか、噛まれていないか探したが、とりあえず大丈夫だった。

虫除けをたっぷり塗ったのが幸いしたのかな。


この後しっかりぐぐってみたら、件の池のあるあたりはマダニ汚染地帯で、なおかつツツガムシ病まで発生している地域だった。

渓流のヤマビルなんかもそうだけど、鹿やイノシシ、サルなんかがこの手のヤバイ虫を拡散しているというのは本当なんだなぁと。

これまで噛まれなかったのは、たまたま運が良かっただけらしい…。

あの池にウシアブなんかよりよっぽど恐ろしい奴がいたとは思わなかった。

ここに限らず淡路の山は軒並み汚染されているようなので、これからも気をつけよう。。。

2013年7月1日月曜日

吉川、加東方面釣行

この土曜は午前中に雑用をこなした後にのんびり出発。

以前から目星をつけていた池をピンポイントで探釣することに。


最初に訪れたのは、棚田の最上段にある、直径いくらもない小さな池。

地元の人間でもなければ気にもしない場所ながら、以前からバスの情報はあった。

自宅近くにも昔はこういう場所はあったけど、軒並み宅地造成や圃場整備で消えちゃったり、周囲の耕作放棄や休耕で手入れがされなくなって枯れちゃったり。


水質はといえば、二日ほど放置した水出し麦茶みたいな色。

オーバーハングそばでギルポッパーをポップさせると、引き波を立ててバスがバイト。

小場所だけに型も小さいが、筋肉質の締まった奴。


そして携帯を車中に忘れたのを思い出す・・・(ノ∀`)アチャー


普段から虫くらいしか食い物がない上、小場所すぎて釣り人に狙われることもないせいか、フライへの反応は上々。

ここまで素直なバスも久々な気がする。

ただ、なまじ小場所だけに数匹釣れると、あっさり場荒れして沈黙したので、とっとと移動。


山間の細い道を登った先にある池をいくつか巡ったけれど、どこも高い柵が施してあったり、水利組合の「魚釣禁止。罰金三万円也」の看板があったりで釣りできず。

そして、はじめてフローターに乗った池にも、とうとう「魚つり禁止」のでかい看板。

落胆していると、これ見よがしに中央の岬まわりで派手なボイルが。


今に始まったことじゃないが、釣り場がどんどんなくなっていくのは辛い…。


日が暮れて、ゴルフ場のナイター照明が煌々と灯る頃まで釣ったけど、結局バスは最初の池で釣れただけで、あとはおタマ地獄や小ギルパラダイス、そして釣り禁ばかりだった。


翌日はいつもより早めに出ようと思ったものの、寝冷えしたのか体調がいまいち良くなくて、しばらく足止めを食らう。

気温が上がると多少マシになってきたので、今日も以前から目をつけていた池へ向かうことに。

ゴルフ場とゴルフ場の間に挟まれた、谷間の一番奥にある二段池。

規模としては比較的大きめな池で、岸から攻められる場所は限られている。

大半はオーバーハングで、ここはフローターだろ、と。


砂利道をそろそろ進んで池のオーバーフロー横に車を止めると、岸際を今年生まれと思しきバスの群れが通っていく。

そしてその後ろには、共食い目当てか軽く40はありそうな魚影が。

これは期待していいんじゃないか…?と思って準備していたら、目の前に軽トラが止まった。


「あんた、これからその浮き輪で浮くつもりか?」

「ここは○○水利組合が管理していてな…」

「わしゃ別に構わんけど、組合の連中が見回りに来たら…」

「釣りするなとは言わんけどな…」

「見たところ、あんたも安全には一応気配りしとるようだけど、それでも万が一な…」


口調こそやわらかいが…。


スピニングを持った別のグループが、こちらのやりとりを気にしながら釣りしている。

ここで抵抗したりすれば、恐らく次にここへ来たときには、「釣り禁止」の看板が立っているだろう。


言うまでもなくここは他人の土地、最初から選択肢は一つしかない。


「わかりました、浮かぶのはやめます。失礼しました」


軽トラを見送った後、しばらく池をぼんやり眺めていたが、とりあえずウェーダーを脱ぎ、膨らませたフローターから空気を抜いて、タバコを一本。

ひと山越えたあたりでは、バサー「だけ」釣り禁止の池があるそうだ。

釣るなと言われなかっただけマシなんだろう。


先ほどのスピニングの一団は、気付けばどこかへ消えていた。


ティペットの先にポッパーを結び、土手の上から沖目のヒシ藻周辺を狙う。

しばらくは小型がつつくだけだったが、やがて派手な飛沫とともにポッパーが消しこまれた。

跳ねないのでギルだとすぐに分かったが、結構よく引く。

釣り上げてみると、久々に見る良型ギル。

小粒とはいえポッパー丸のみ

フローターからだったら、さぞ面白かっただろうなぁ…。


陸から釣りができる場所はひととおり攻めたので、転進することに。

次に目指したのは、同じように砂利道の先にある池だったが、途中の路盤が崩壊していて近付くこともできず、結局諦める。

利便性で勝るとはいえ、やはり普通車では限界があるなぁ。


仕方なく転進した先は、春先に来た際には、生命感がまるでなかった三段池。

下の二段は最近水抜きしたのか、おタマ地獄と化していた。

最上段は堰堤際にギルの姿が見えたので、藪をかき分けてオーバーハングを狙う。

沖目では産卵するトンボに派手にライズする様子が見えるが、とてもじゃないが届く距離じゃない。

山間部の谷池なので奥に向かって深いが、一番奥はゴルフ場の敷地にかかっているので、用心のために浮かぶのは止めた。

ひとしきりギルを釣りまくって、バスの姿が見たくなったのでまた転進。


今度の転進先もまたゴルフ場の脇にある池。

というか、このへんの山はほとんどゴルフ場の敷地と言っていいんじゃないかと。

ここは水彩画を描いた後の筆洗バケツの中身のような水の色の上、道際というのもあってか小バスやギルすら妙に警戒心が強い。


あんまり楽しくなかったので、数投してさらに奥の池へ。


こちらは湧き水でもあるのか、さきほどの池のように妙な濁りはない。

しばらく岸際やヒシ藻の隙間で小バスやギルと遊んだあと、水際のクヌギの木の下の一等地に、良型のバスがぼんやり浮かんでいるのを発見。

フライを結び替えるのももどかしく、ギルポッパーのままで狙うことに。

自分にしては本当に珍しく、丁寧に丁寧にメジャーリングしてキャスト・・・上手く目の前に落ちた。

波紋が消えるのを待って、チョコンと動かすと、ヒレをぱたつかせて興味津々の様子。

ポップさせずにスーッと水面を引くと、慌てて追いかけてきてドッパンと水柱を立てて食いついた。

「よーっしゃ!よーーっしゃ!!」

久々のまともなバスに思わず声が出る。

あちらさんも負けじとヒシ藻の間をぐんぐん泳ぎ回る。

何度もラインを引き出されながら、なんとか堪えてラインを巻き取るが、一向に浮かんでこないしジャンプもしない。

どう見ても40クラスは固い。


が、所詮ヘタクソのまぐれ当たり、やがてラインはテンションを失って水面にだらりと。

「あああああ。。。」

思わずへたり込む。


しばらく小物ばかり釣っていたのもあって、やり取りの感覚がすっかり鈍っていた。

この日はこれですっかり消耗してしまったので、ぱぱっと竿をたたんで帰ることにした。

2013年6月16日日曜日

懲りずに淡路島(その2)

「もうロッドは忘れまい」と、前日夜からロッドを車に放り込んでおいた。

これでリールでも忘れたら発狂しそうだったので、しっかり一式準備してトランクへ。


例によってのんびり出発し、現地到着は9時過ぎ。

もはや朝まずめもへったくれもないが、曇天気味なのでなんとかなるかと希望的観測。


前日うろついていた小バスが見当たらなかったが、とりあえず浮かんでみることに。

久々の抹茶色した池なのもあって、独特の匂いが鼻につく。

気温はどんどこ上がって汗ばむくらい。


最初のワンドからギルの活性が高い。

新たに巻いたポッパーの初仕事
途中流木の上に群がるカメの一斉入水にびびりながら、ワンドの奥へと進む。

うす曇りなのもあってか、オーバーハングでは反応はない。


黄色の花菖蒲が咲く一番奥の流れ込み付近に反応が集中した。

ここ数日と比べるとあまり暑くなかったけど、早くも溶存酸素が少なくなってるのかね。

なかなか梅雨前線が北上してこないし、どうも空梅雨くさい。


おチビがチュパチュパやってくるけども、乗ったのは上の一匹だけ。

反応が薄くなってきたので、岬をまわって次のワンドへ向かう。


相変わらずオーバーハングでは全く反応なし。

うーむ、どないなってんねん。

一番奥は崩れた耕作放棄地で、アシと花菖蒲の混成群落。

水際最前列に咲いた花菖蒲の壁ギリギリに打ち込むと、やはり必ずギルの反応がある。

水中での争奪戦が激しいのか、中には空中に飛び出してフライを押さえ込むギルまで。

目玉が取れても釣れます
試しに巻いた小型ウィグルバグもきっちりお仕事

それにしても…ほんまにバスはどこ行った?

しばらく釣っているとスレ掛かりしだしたので、切り上げて一番奥のワンドへ。

ここでも岬周りやオーバーハングでは全く反応なし。


こちらは流れ込みが枯れているのか、水が淀んでホコリの膜が張っている。

途中の立ち木やパラアシへあれこれ投げ込むも、反応なし。

やはり反応は一番奥の花菖蒲地帯だけ。

単純に時間帯の問題なんかなあ…。

池を一周半したところで、翌日の疲れのことも考えて切り上げる。

結局ギルはツ抜けしたものの、バスに関してはアタックすらなし。

昨日あれだけ活性の高かった連中はどこへ行ったのやら。

あと、いちびって小型ポッパーに3Dアイをつけたのはいいけど、バランスは崩れるわ浮力は弱くなるわすぐ取れちゃうわで大失敗だった。

今度から小型の目玉は手描きかシールアイにしよう。

2013年6月10日月曜日

懲りずに淡路島(その1)

書くにはちょっと間が空いてしまったけれども。


入梅宣言後の土日、直前になって降らないという話になったので、またまた懲りずに行ってきた。

今回は二日とも動けるので、うだうだし放題。←それがあかんというのに

例によってのんびり家を出るつもりが、直前にヤボ用が入り、結局ばたばたと家を出ることに。


前回行った池にまた行くのも芸がないなぁ、と思ったこともあって、google mapとかあちこちのサイトで見て「このへんどうやろ」と適当に当たりをつけた池に行くことに。

高速を降り、大阪湾沿いの国道を南下して、途中から山間部へ。


離島ということも手伝ってか、淡路島の道は、最低限の整備しかされていないところが多い。

今回目指す山間の池への道も、まさにそんな道だった。

しばらくは小さな谷川沿いを走るものの、やがて石垣の脇をギリギリで通るような道になり、民家の庭先にしか思えないような場所を通り、さらにはガードレールもないコンクリ舗装の林道もどきをヒーコラ登っていく。

やっとの思いでようやく池に到着したら…おタマの大群の下をモクズガニが悠然と歩いていた。


絶対ここにはバスおらん」


強く確信し、脱力感に襲われながら今きた道を下る。


地図だと県道に合流するはずなのだが、どう見ても今降りてきたルートと大差ない道が奥へと続いている。

次に目指す池は、この県道…いや、「険道」の先にある。

少なくとも地図では通り抜けできるはずなので、地図を信じて道を進むが、道路状況はさっき通った道よりさらにひどい。

もはやアマゴでもいそうな源流域の棚田の間を抜けていくと、コンクリ舗装が落ち葉で埋まってしまっていた。

余談ながら、昭和50年代あたりまで、実際に淡路島にはアマゴがいた記録があるそうで。

さすがに不安になり、近くにいたお百姓に「ここ、車で通り抜けできますか?」と聞くと、「いけるよーだいぶ狭いけどな」とのお返事。

小さな峠を越えて下りに入ると、背丈ほどの夏草が道まではみ出して茂っている。

サトイモ科のアオテンナンショウ・・・らしい
しばらく下ると多少は人の手が入った痕跡が現れはじめた。

やがて池の土手脇に出たので、車を止めて様子を見る。

…ここも岸際におタマの群れが。

ただ、時々ボイルのような音が聞こえる。

雰囲気はいいんだが…
「ダメもとで浮かんでみるかぁ…」

前回の水漏れ箇所がそのままのウェーダーを履き、フローターを膨らまし、リールにラインコートを吹きつける。

そして、ここまで準備してやっと気付く。


・・・ない。

・・・ロッドがない。

シートの隙間まで全て探したが、ない。

出がけのバタバタで玄関先にでも忘れたか。

未練がましく土手の上をうろうろするも、打開策があるわけでもなく。

ウェーダーを履いたまま、樋門の階段に腰掛けて、力なくタバコに火をつける。

ため息には毒素が含まれる、なんてデマが一時あったけど、この時はタバコの煙と一緒に、間違いなく「なんだかよくわからないけど体に悪いもの」を吐き出していたと思う。


今から市街地へ出れば、ちょっとしたルアーの道具くらいは簡単に手に入るだろう、というのは考えたものの、もはや釣りする気分でもなくなった。

一式をだらだらと片付けると、Nexus7で目星をつけた野池の下見へ。

いくつか見て回るうち、小バスがボイルする様子も見かけたが、フラストレーションがたまるばかりだったので、日暮れ前に橋を渡って本土へ帰った。


2013年5月25日土曜日

リファラスパムというのがあるらしい

 元々このブログはボカロ関係のおぼえがきとして始めたので、アクセス数だの反応だのはハナから期待してないんだけども、このところ急激に海外からのアクセスが増えたもんで、いったい何事かいなと思って調べてみた。

 トラフィックを見ると、googleやyahooのbotはともかく、”topblogstories.com” だの”kallery.net”だの”flf-course.com”だの、あまり見かけないドメインが並んでる。

 最初は思わず「どんな酔狂な奴やねん」とリンクを踏んでしまったんだけども、これはスパムの一種なんだそうで。

 ぐぐってみると、まぁお決まりのアクセス稼ぎはともかくとして、ウィルス仕込まれるとかサイト乗っ取られるとか、なんか恐ろしいことが書いてある。

 ビビリやから速攻でパス変更しましたとも。

 トラフィック一覧に一緒に並んでて、これも怪しいなぁと思った”fenrir-inc.com”は、スレイプニルの開発会社でした…疑ってすまぬ。

2013年5月19日日曜日

淡路島フローター釣行

 金曜の昼休みに天気予報を見ていると、土日は雨となっていたはずが、土曜に晴れマークが。

 「また釣り行くん?」と同僚に聞かれ、元々その気はなかったのに釣欲がむくむくと。

 このへんの野池なんてどアフターのまっ最中で、水面に出てくれるアグレッシブな奴はおチビさんくらいのはず。

 GWの旅行で浪費癖がついたのか、口座に穴開いてるんちゃうかというくらい、貯金がえらい勢いで目減りしてるし。

 「でも…フローターにはぼつぼつええ時期やなぁ…まだ今年はバス触ってないんよなぁ…」

 そしてあっさり欲望に負けた。


 汗ばむ陽気だった金曜より気温が下がるという話で、池の真ん中でピーゴロこられても困るからと、ゆっくりめに出ることに。

 明石海峡大橋を渡り、淡路島に入ったのは10時過ぎ…さすがにのんびりしすぎやろ。

 高速を降りてしばらく走り、毎年通っている池に到着。

 さっそく堰堤の上から水中を覗き込むと、今年は春先が寒かったせいか、例年より育ちの悪いヒシ藻の間に、ちびバスの姿がちらほらと。

 ただ、例年なら真っ先に見つかるギルの姿が、全く見当たらないのが気になった。


 余談だが、思うところあって、というか単なる気まぐれで、しばらく家では麦飯を食べ続けている。

 そして麦飯の効果なのか、肉類を極力抑えるようにしたからか、服のサイズがひとつ落ちた。

 これまでウェーダーを穿くときは、たとえブーツフットの時でも、ズボンを脱いでからスパッツの上に穿いていたのだが、好間川でのガイド氏の準備の早さに衝撃を受けたので、試しに今回はズボンの上からウェーダーを穿いてみることにした。

 買った当時はスパッツにあわせたサイズだったものが、ズボンの上から穿いても全く問題ない。

 「おぉぉぉ…」 

 池のほとりで、ひとり感動にうち震え、脳内にBGMが流れる。

 

 「体型変わったな」(←やかましい)

 …まぁ実際のところ、まだまだメタボってることに変わりはないんですが。


 とかなんとかやりつつも、ちゃちゃっと準備して進水。

 水がきれいなのはいいんだけど、ちょっと冷たく感じる。

 むしろ例年より水が澄んでいるような…。


 いつもならギルが群れているオーバーハングの下に、例のマジックで塗っただけのギルポッパーをキャストするも、全く反応なし。

 「…ありゃ?」

 水中岬、アシの絡んだシャロー、毛虫のぶら下がったクヌギの木の下…。

 ギルポッパーをマドラーに変えたりしながら、例年ならすぐギルの反応のあるところに打ち返しながら池を進む。

 しかし水面に浮かんだフライは静かなまま。

 もしやレンジの問題かと、BHマラブーやストリーマーなんぞを沈めてみたけれど、やはり追ってくる魚影はなし。

 最奥のシャローでも状況は変わらず。

 今年は育ちが悪いとはいえ、水草自体は減っているようには見えない。

 朝のうちに誰かに叩かれていたとしても、ギルの反応すらないのはわからん。

 例年ならフィンに纏わりついてくるほどいたギルは、一体どこへ行ってしまったのか…。

 首をひねりつつ、そろそろ池を一周するあたりで、ようやく反応が。

フィンの見え具合で透明度はわかるかと
  おチビさんながら、何度もジャンプしたり突っ込んだり、それなりに暴れてくれた。

 「…もしやお前、堰堤から見えてた奴とちゃうやろな?」

 実際あれ以外に魚の姿を見ていない。

 カシ○ギ式に尻尾から放すと、真上にジャンプしてから帰っていった。

 活性自体は低くなさそうな…。

 昼前になり水温も多少上がり、日陰のコントラストも強くなってきたので、もう半周だけ攻めてみたが、やはり反応はなかった。

 どうにも釈然としなかったが、見切りをつけて移動することに。

 次は以前下見だけして攻めたことのない池へ。

 ところが覗いてみるとまさかの大減水、しかも水の減り方が急なのか、岸には1mほどの幅でまだ乾いていない泥が。

 ここは下流に田畑もないし、堰堤なんて大昔の石積みだけでオーバーフローすらない。

 もしやこの前の震度6強で底が抜けたのか?

 未練がましく岸辺を奥へ進んでいくと、まだ新しいイノシシの足跡を見つけたので、早々に立ち去ることに。

 イノシシは渓流のクマなんかよりよっぽどリアルな危険生物なので。

 ガキの頃にたまたま山中で遭遇したことはあるけど、茂みから鼻息が聞こえた瞬間は生きた心地がしなかったもんなぁ。

 「次どこ行こかなぁ」

 Nexus7を立ち上げて、予めマークをしていたマイマップを見ようとすると、圏外の表示。

 そういえば、このあたりは牧場が点在しているくらいで、人家はほとんどない…あかんやん。

 あてもなくしばらく県道を道なりに走っていると、携帯の基地局が見えたので、近くの路肩へ車を止めて再びNexus7を起動。

 普段から何かとgoogle mapにはお世話になっているが、モバイル版マイマップだと100件目以降のマークが表示されないのは何とかならんもんか。

 現在地周辺にマークがついているのは、かつて淡路で初めてバスを釣ったダムだけだった。

 すっかり昼も過ぎているので、おそらくここがラストになる。

 堰堤下のアシ際を覗き込むと、ここは季節の進みが遅いのか、ペアリングした大型の姿が。

 彼らの邪魔をしないよう、少し離れたところからエントリー。

 堰堤を離れた直後、カップルと思しき二人組が堰堤に陣取り、同じ場所を延々と攻めていた。

 こちらのペアリングも邪魔しないよう、両者に遠慮しまくってダムのど真ん中を進む。

 たまにこちらと目線が合うのが気になり、エエカッコしたくてキャストに無駄な力が入って、当然の如くキャストに失敗…とても気まずい

 自然と「絶対キャストに失敗しない距離」を打ち返している自分がちょっとイヤ。

 しばらくは先ほど同様に反応がなかったが、最初のワンドを過ぎたあたりから徐々に反応が出始める。

 さすがに天気が良かった日の午後とあって、既にきっちり叩かれた後らしく、小ギルがチュパチュパする程度だが、それでも反応があるだけマシだ。

 さらに奥のアシ原、はじめて淡路でバスを釣ったポイントを目指してフィンを蹴る。

 途中にあったアシの岬にディアヘアポッパーを打ち込むと、明確な反応が。

おチビだけど美形
こいつを釣った直後あたりから、堰堤方向からの風が強くなってきた。

 いよいよ雨雲が近づいてきたんだろう。

 フローターは風に弱いので、あまりチンタラしていると戻れなくなるかもしれない。

 とは言いつつ、目の前にはアシ原と、さらにインレットへ続くシャローが広がっているわけで、途中にあるブラッシュパイルまでと決めた。

 そして目の前のアシへキャストを繰り返すも、残念ながら無反応。

 まぁこんな露骨に美味しそうな場所、叩かれてないほうがおかしいわなぁ…。

 さらに奥へ進もうとしたら、水面をヘビが泳いでいる。

 しばらく見ていると、器用に水面で立ち上がり、垂れ下がった枝に巻きついて上がっていった。

 ああやって上がるんやなぁ、などと感心していたら、さらに風が強くなって、周囲の山全体が白く波打っている。

 さすがにヤバいかな?と思い始めたころ、間の悪いことにギルが溜まっている場所を見つけた。

 ついつい風のことを忘れ、ギルを何匹か釣っているうち、何かにドンと当たった衝撃が。

 何じゃ!?と思った瞬間、右足も何かに引っかかる。

 先ほど目印にしたブラッシュパイルまで流されていたらしい。

 たまたま幹の部分に当たったが、よく見ると枝の先は結構鋭かった。

 「もしこれがチューブに刺さっていたら…」

 分厚いPVCはそう簡単に穴なんて開かないし、万一に備えて救命胴衣もつけているが、それでも背筋が凍った。

 時計を見ると、もうすぐ16時。

 これは切り上げのサインだろうと、ラインを巻き取って戻ることにした。

 本来なら反対側の岸も打ちながら戻るつもりだったが、思い切り風が当たっていたので諦めた。

 やがて白波まで立ち始め、いよいよヤバい感じに。

 なんとか風裏や風の止み間を見計らって進む。

 カシ○ギ氏は「フロートチューブはダラダラ漕げ」と言ったけれど、この状況ではちょっと無理。

 堰堤沿いは風裏なので、先ほどの二人組は強風の影響なんてほとんど受けず、相変わらず同じ場所を攻めながら、やはりこちらをチラチラ見ている。

 「いよいよになったら、あの二人組に助けを求めなあかんのか…それは何かイヤやなあ

 そんなしょーもない意地だけで、なんとか堰堤にたどり着いた。

 そそくさとフローターをたたみ、ウェーダーを脱いだら、間の悪いことに今日に限って浸水…ズボンがえらいことに。

 ろくにメンテナンスもせず、適当に丸めて放置していたせいかとも思ったが、もしかしたら先ほど枝に引っかかったときに、どこかに穴が開いたのかもしれない。

 それでなくても単独釣行、頼れるものは我が身だけなのだから、もう少し注意深くなってもいいかなぁ、と反省しながら帰路に着いた。

2013年5月15日水曜日

宮城~福島縦断旅行 その7

5月4日(土)

 今日は基本的に移動だけなので、のんびり起きた。

 …まあ隙あらばスモールとは思っていたけれど。

 カウンターで荷物の発送を済ませ、車はいわき中央I.C.から磐越道へ。

 いわき三和I.C.付近を走っていると、いきなり痛車にぶち抜かれた。

 何のキャラかと後姿を見ると、V3のロゴとともに蒼姫ラピスの絵が。

 …ボカロ系の痛車を久々に見た気がする。

 (まあイベントや日本橋にでも行かない限り、痛車自体そうそう見かけないけども。)

 かなり飛ばしてたけど、一体どこに向かっていたのやら。

 GW中とはいえ磐越道はスムーズそのもので、渋滞もなく小野I.C.からあぶくま高原道路を経由し、福島空港I.C.へ。

 予想外に早く着いてしまったので、空港付近の野池と阿武隈川を覗くことにして、一旦空港への道から外れる。

 とある池に着くと、山間の池とはいえやたら水が澄んでいて、土手を補修した様子こそないが、こりゃ抜かれたかな、と早々に離脱。

 違う池に行くと、こちらは釣り禁止の看板。

 その後もいくつか池をまわったが、どうも生物の気配どころか、釣り人の気配すら感じない。

 それでもまだ時間はあったので、阿武隈川へ車を進めた。

 途中のコンビニで酪王カフェオレを買って車へ戻ると、真正面に雪をかぶった那須の山々が。
 

 休みを利用して会津へ釣りに行った人たちは、突然の雪景色にさぞ驚いただろうなぁ…。

 こっちも強風と低温で難儀したとはいえ、さすがに雪は降らなかったもの。

 実は裏磐梯方面へも寄る予定があったのだが、直前に雪が降ったことで、とても釣りどころではないだろうとルートから外した。

 …釣れなきゃ一緒だろという冷静な突っ込みは受け付けない。


 水郡線の踏切を渡り、農道を阿武隈河畔まで進む。

 はじめて見た阿武隈川は取水のせいか思ったより細く、都市間を流れる大河の宿命か、地元の加古川と同じくらいゴミも目立ち、やはり代掻きの水で白濁していて、釣れる雰囲気ではなかった。

 阿武隈川の周辺も放射性物質の流入で、比較的線量が高いとされている。

 しばらく未練たらしく土手の上の砂利道を走っていると、つけっぱなしのラジオからヒステリックな女性の声が流れてきた。

 (ここまで頭ごなしに拒絶されたら、行政側はもう手の差し伸べようが…。)

 耐えかねてラジオを切ったが、もやもやしたものが晴れないので、ちょっと先の乙字ヶ滝を見に行くことにした。
 

 芭蕉の句碑や石像、巨大な聖徳太子像、弘法大師伝説の説明書きを見て回る。

 かつてはサケや鱒(サクラマス?)が遥か河口からここまで遡上してきたという。

 スモールのポイントとも聞いていたが、釣り人の姿は見当たらず、観光客や地図を片手のライダーの姿ばかりだった。

 空港方面へ戻る途中、スタンドの人に「地元らしい飯の食えるとこないですか」と聞くと、「蕎麦が好きなら道の駅に行くといいよ」と言われたので、空港近くの道の駅たまかわへ寄ることに。

 ここでは山菜の天ぷらや炊き込みご飯が売られていたが、期待した山菜の天ぷら蕎麦はメニューになかったので、普通の天ぷら蕎麦(掻き揚げ)を食べた。

 他の道の駅と同様に地場野菜が置いてあるのだが、誰もがやけに大量に買い込んでいたのが印象的だった

 南相馬や東和の道の駅では見かけない光景だったが、理由はよくわからない。

 やがてタイムリミットが近づいたので、レンタカーを返却し、搭乗手続きを済ませて出発ロビーへ。

 福島空港はそこらじゅうに円谷キャラの像が置いてあった。
 
どことなく哀愁漂うゴモラ
地元出身の円谷英二との繋がりから開港15周年記念として常設展示が始まったらしいが、20周年を機に展示をさらに充実させたらしい。

 そんな中で気になったのは「ようこそ福島へ」のゲートの上、なぜか白目をむいて立つチャメゴン。

 いや、お前が悪役怪獣じゃないのは知ってるけど、なんでよりによってそこで白目やねん。
 
肉眼では尾翼の上あたりに磐梯山が見えたが・・・
売店で「ままどおる」を買おうか迷ううち、搭乗案内が始まったので、慌てて機内へ。

 帰路のIBEX機は定刻どおりに離陸、快晴とはいかないものの、空中散歩を堪能できた。

 那珂川や鬼怒川など北関東の大河、渡良瀬遊水地、奥多摩湖、富士山、甲府盆地、そして雪の赤石山地、知多半島から伊勢湾を抜け生駒を越え、やがて大阪城のそばを通って伊丹空港へ無事到着。

 阪神高速から三ノ宮へ向かうリムジンバスの中、排ガスに霞む見慣れた六甲の山並を横目に、今回の旅で何度も見上げた、はるか遠くまで澄んだ東北の空へ思いを馳せた。

2013年5月14日火曜日

宮城~福島縦断旅行 その6

5月3日(金)

 朝7時、ホテル前でガイド氏と待ち合わせて、レンタカーを一旦ガイド氏宅に預ける。

 連泊しようと思っていたら、祝日とのからみで同じホテルが押さえられず、やむなく近くの別のホテルに泊まることになったのだが、チェックインまでの車の扱いに困っていたところ、ガイド氏が気を回してくれた。

 最初に着いたのは、いわき中央I.C.近くにある吊り橋周辺。

 橋には「老朽化しているため、少人数で渡るようお願い致します」の立て看板があった。

 川の様子を見るため、中央あたりまで渡ってみたが、確かにゆらゆらして不安定ではあるものの、作り自体はしっかりしていた。


 かつてこのあたりは炭鉱で栄え、積み出し用の専用線まで走っていたそうだが、70年代のエネルギー転換期に閉山となったらしい。

 そして原発誘致という流れ。

 下北半島と同様に、この土地もまた昔から、国のエネルギー政策に振り回されてきた。


 川の水は代掻きの泥によって白く濁っていて、風も相変わらず強く気温も低めながら、虫たちは活発に飛んでいる。

 川底は砂の間に石がある感じで、「ヤマメは砂を釣れ」の言葉がそのまま生きる川相。

 アシの際や流れ込みの石の裏、泡の筋を狙ってキャストしていくものの、久々のこともあってなかなか勘が戻らず、よたよたと足元を気にしつつ、川の中まで茂るアシに引っ掛けたり、ウィンドノットを作ったりで、釣っている時間より解いている時間のほうが長い…。

 ガイド氏は20ft超のロングリーダーを駆使して、テンポよくポイントを探っていく。

 アタリもなくライズも見つからないため、しばらくして場所変えとなったが、後日ガイド氏の送ってきたメールによれば、この橋の下だけで短時間に8匹のヤマメが出たそうだ。

 次に訪れたのは、国道49号線の水石トンネル近く。

 上流に発電所があるので水量は少なめだが、先ほどの場所より風もまだマシで、上流が渓谷で田畑から離れていることもあり、いくらか水は澄んでいるし、虫も相変わらずたくさん飛んでいる。

 ガイド氏にも自分にも、ここでは小型ながら反応があった。

 しばらく釣り上がってみたものの、その後は反応が薄く、さらに移動していわき三和I.C.近くへ。

 ガイド氏の息子さんが早朝からルアーでこの周辺を狙っていたが、風と寒さで撤退したとのこと。

 こちらは谷間の開けた場所だけあって風の影響が強く、自分の腕ではキャストどころじゃないが、ガイド氏は対岸のアシ際からあっさり一匹釣り上げていた。

 やはり腕よなぁ…と思っていると、対岸のアシ際で反応が。

 あわててキャストしなおすと、きっちり対岸のアシに引っかける…ポイントが潰れました orz

 正午のサイレンが鳴ったので、国道沿いにある食堂で腹ごしらえをした後、車でさらに小移動して、少し上流の合流ポイントへ。

 このあたりでようやくキャストも安定しはじめたものの、やはり強風で煽られる。

 いざという時のロングキャスト用にとWFを使っているが、自分の腕ではそれが間違いなのかも。

 とはいえ代掻き水が流れ込む場所を過ぎ、水が透明になってくると、ライズや反応が明らかに増えてきた。

 田畑の作業は午前中に済ませることが多いので、泥が落ち着くと水は澄み始める上、田んぼで暖められた水が水温を押し上げるので、昼からの方が良い結果になることも多いそうだ。

 事あるごとに萎えそうな自分に気合を入れなおし、再びキャストを繰り返すと…目の前でライズ。

 「バカにしくさって…」

 ムキになってキャストすると、案の定また変なところに引っ掛けてポイントが潰れた。

 …そらバカにされるわ。

 まだ釣りの真っ最中なのに、しきりにリベンジを口にし始める自分。

 いいからとりあえず落ち着け。

 次に、三和中学校前の流れへ移動。

 学校への橋の下がちょうど淵になっていて、泡の筋から反応があったものの、取れない…。

 ヤマメの鋭い反応に全くついていけない。

 魚は確実に、しかも思った以上にたくさんいる。

 水温も上がってきたし、虫もたくさんハッチしている。

 腕か。 わかっちゃいたけど腕か。

 「やっぱりイワナのほうが好きやな…」とひとりヘタれてみる。

 ちなみに好間川は上流部に至るまで典型的な里川で、イワナはあまり見かけないとか。
 
 さらに少し上流へ移動し、国道脇のスプリングクリーク的な流れに。
 
 川に近づくと、ボコンと大きな音をさせながら、いかにも型の良さそうなライズリングが見えた。

 静かに上流から流し込もうとすると、目前のアシ際でチビが連続アタックをかまして沈めてくれた。

 「ちょ…邪魔すなコラ…」

 流れが遅く、ライズのところへたどり着くころには、フライは完全に沈んでしまっている。

 しかもそれを3回きっちり繰り返してしまう。

 …テンドンは三回って言うけど、それを釣りでやってどうすんねんという。

 大慌てでソフトハックルを結びなおし、流し込んでみたが返答はなかった。

 大型どころか途中のチビすら取ることができず、肩を落として上流へ向かう。

 例によって反応はあるのだが乗らない、いや乗せられない。

 やがて堰堤が見えてきたので、落ち込みを集中的に狙う。

 何度か流し込んだとき、ヤマメの尖った頭がフライを押さえ込んだ。

 一瞬だけ魚の重みを感じたが、咄嗟のことに反応できず、またもや力なく垂れ下がるティペット。


 「今のは…今のは取らなあかんやろ…」

 がっくり膝をつき、思わず悔しさが口を突いて出る。


 「堰堤の上でも反応ありますから、がんばって」とガイド氏に激励され、気合を入れなおす。

 こちらが堰堤下で悶絶している間に、ガイド氏は一匹ヒットしたようだ。

 確かに反応はそこらじゅうであるが、相変わらず乗せられない。

 やがて試合終了のホイッスルのように、谷あいに「夕焼け小焼け」のメロディーが。


 「あれだけ反応があったのに丸坊主…ッ! 完全試合…達成…ッ!」

 がっくし。


 帰りがけ、先ほどのライズポイントに目をやると、相変わらずライズリングが広がっていた。

 (一枚も写真がないあたりで、いかにいっぱいいっぱいだったか読み取っていただきたい…。)


 「長いことこの川で釣りしてますけど、今日ほど厳しい日も珍しい」とはガイド氏の弁。

 …いえ、取れる魚を取れなかったのはひとえに自分の腕なので、お気になさらず。

 途中ガイド氏は山菜を取っていたらしく、腰のビニール袋はパンパンに。

 「"アレ"が気になるなら勧めませんけど、うちでちょっと食べていきませんか?」と夕食のお誘いがあったので、自分は昔からタバコ吸いの酒飲みですからと、遠慮なく頂くことにした。

 ホテル泊まりの一人旅、しかも現地の人でさえ地場産を避けたりするこの状況では、採りたての山菜なんてとても無理だろうと、半ば諦めていたところだった。

 ガイド氏は日ごろから検査場への持ち込みも行っているというが、山菜なんてシーズン通したところで何キロもばかすか食うようなものではないので、多少数値の高いものに当たったところで問題とは思えなかった。

 車ということもあり、ノンアルコールビールで乾杯。

 山菜以外にもテーブルいっぱいの刺身や揚げ物を頂きながら、色々と話を聞いた。

 好間川など夏井川水系や、隣の鮫川水系などは、水試の検査でもNDの報告が上がっているのだが、エサ釣り師は激減、少しでも客を呼び戻そうと、漁協が協力して年券が両方の川で使えたり、一年分の料金で来年も引き続き使えるようにしているそうで、また若手からはC&R区間設置の話も持ち上がっているらしいが、まだまだ漁協の動きは鈍いとか。

 地元の揖保川あたりなら解禁直後にほとんど釣り切られてしまい、よほど源流部まで踏み込まなければ盛期までアマゴが残っているほうが珍しく、行ってもせいぜいアブラハヤやカワムツしか釣れないことを考えれば、釣獲圧の影響がいかに大きいかよくわかる。

 昨日通り過ぎた請戸川など太平洋側の河川では、川を横断していたヤナが軒並み破壊されたことで、かなり上流部までサケやサクラマスが遡上し、自然繁殖も例年より多く確認されたとか。

 仙台市内のフライショップでは、昨年は側溝のような川にまでサケが遡上していたとも聞いた。

 有志放流でかろうじて維持されてきた某小河川などでは、昨年の試し釣りで素晴らしい太さのヤマメがばんばん釣れたんだそうで…元々小さい川だったこともあって、噂が広まった途端に釣り切られてしまったらしいが。

 山菜も問題ない線量の地域であっても取る人は少なく、コゴミなどは足の踏み場もないくらい河原に生えていたし、作付けが行われている田んぼの土手に生えたものも、ほとんど取られた様子がなかったり、道沿いに生えたタラの芽など、いつもなら真っ先に取られてしまうはずのものが、そっくりそのまま残っていたりする。

 ガイド氏と「今の状況の方が自然には"やさしい"んじゃないか」と苦笑した。

 話が弾んでホテル入りが遅くなってしまったので、お礼もそこそこにガイド氏宅を後にした。

 ある程度泥や汚れは落としていたものの、ウェーダーとウェーディングシューズは水を吸い、結構な重みになっている。

 土産など今までの買い物でバッグは既にパンパンになっていることもあって、ウェーダー類や一部の釣り道具はジップロックで完全密封の上、宅配で送り返すことにして、帰り支度もそこそこに、疲れもあって早めに寝た。

2013年5月13日月曜日

宮城~福島縦断旅行 その5


5月2日(木) 後半


 国道6号を南相馬まで戻り、道の駅南相馬で、草もちにドーナツ生地をかけて丸く揚げた「凍天(しみてん)」を昼飯代わりに買う。


 凍天売り場のカウンターには、見本用に揚げたてを二つに割って置いてあったのだが、それをキセキレイが持ち去ろうと一生懸命引っ張っていたので、一喝して追っ払った。

 食べてみると中のもちはやわらかく、生地の甘みもほど良く、思ったより油っこくなくて、なかなか美味しかった。

 県道268号を真野ダムへ向けて走ると、栃窪の集落あたりから真野川が道に沿って流れるようになるが、事実上の禁漁になっているので、当然釣り人の姿はない。

 スモールが繁殖しつつあるとはいえ、本来であればヤマメの川らしく、いい感じの石。

 ダムサイトを越えると飯舘村に入る。

 水面を見ると想像していたイメージより大規模なダムだった。

 しばらく走ると帰り支度をする釣り人の姿が見えたので話を聞いた。

 今日は風が強くて風裏を探して釣ったが、小さなワームでネチネチしないと反応がないとのこと。

 …お天気おねーさんめ。

 スロープのあるインレット方面を目指してさらに進むと、数人のバサーがいた。

 「今日は三匹ほど」

 申し合わせたように全員がスピニングに小さなワームをセットしたタックルを持っていた。

 相変わらず風は収まらず気温も低いままで、こりゃ思い出作りなんて無理だなと感じつつも、インレットの方を目指してぬかるみを越え、藪をかき分けて進む。

 線量は藪の中や窪地のほうが高いそうだから、きっと計測値より高い値を浴びてるんだろうなーと思いながらも、ぶっちゃけ吸い続けているタバコのほうが、よほど体には悪い。

 しばらく釣りをしたが当然というかやはり反応はなく、寒さと風でモチベーションが落ちてきたので、スロープに戻ってしばらくキャストした後、道具をたたんだ。

 スロープ脇の駐車場を出て、つづら折りの道を登っていくと、サルの群れが木の上でしきりに何かを食べていた。

 人慣れしているのか、こちらに気付いても警戒するような様子は見えなかったが、車を止めて写真を撮ろうとしたら、めんどくさそうに木々の向こうへ消えてしまった。

 …アイソないなおまえら。

 峠を越え、マタタ川とという不思議な名を持つ川沿いを進むと、道沿いに見事な桜。


 沿岸部に比べて建物に地震の影響はほとんど見られないが、このあたりは今回通過するコースの中でも特に線量が高いエリアで、さすがに周囲に人影はない。

 やがて県道12号線に合流、川俣町方面へ向かうと、周囲に「除染作業中」の立て看板が目立つようになってきた。

 相双地区から中通りに抜けられる数少ない道のひとつなので、交通量自体は比較的多い。

 そのうち道は下りになり、川俣町の飯坂集落あたりまで来ると、田んぼは代掻きが始まっており、下校中の子供たちや、それを迎えに行く親の姿が目に付くようになった。

 放射性物質の拡散はひとえに風向きの影響だけなんだそうで、風裏にまわってしまえば、わずかな距離の間でもこれだけの違いが出てしまう。

 逆に風の気まぐれで吹き溜まりができると、妙なところがホットスポットにもなったりする。

 川俣町で国道349号線に入り、道の駅で休憩しながら、田村方面へ進む。

 本当は尻Pがかつてイワナを釣った千扇川を覗いたりしながら、川内村方面へも回りたかったのだが、いわき市内での混雑や、"酷道"399号線の話、いわきの釣具店へ寄る時間を考えると、どうしても時間的に厳しくなってしまったので、そのまま船引三春I.C.から磐越道に乗り、いわき市へ向かった。

 いわき中央I.C.で降りると、国道49号線との合流部分の橋で、翌日釣りをすることになる好間川(よしまがわ)の下流を渡る。

 浪江町から国道6号をそのまま行けば2時間かからず到着できる距離を、阿武隈山地の大迂回で、おおかた5時間かかってしまった。

 車の窓を開けると、相変わらず風は強いものの、相双エリアより気持ち暖かく感じる。
 
 国道49号線から再び国道6号線に入るあたりは、さすがに市内だけあって混んでいた。

 いわき駅方面へ曲がり、目指していた釣具店へ向かう。

 店のサイトから明日のガイドをお願いしたので、勝手に店主が案内してくれるものだと思い込んでいたのだが、実際には店の常連さんとのことだった。

 勘違いを詫び、小物や巻き足りないパターンをいくつか買った後、ガイドをお願いする方へ連絡を取ってもらい、明日の予定を決めてホテルへ向かった。

 ホテルはいわき駅のすぐそばで、チェックインを済ませて部屋に入り、晩飯のためにあれこれ検索をかけてみたが、やはり地域の食材に規制がかかっている(青物は問題なしだが、塩竈でさんざん食ったし…)のもあって、ピンとくる店がなかったので、適当に当たりをつけた洋食屋で軽く食べたものの、なんとなく物足りなくてホテル近くの焼鳥屋へ入った。

 とりあえず地酒と焼鳥の盛り合わせを頼み、メニューを見ると「メヒカリの唐揚げ」があった。

 関西ではあまり馴染みのない魚なので、頼んでみることに。

 揚げたては白身がホクホクして、頭からバリバリ食える小骨の少ないトラギスという感じで、なかなか美味しい。

 いわき市では「市の魚」としてPRに余念がないようだが、少し前までは市場でも捨て値で売られ、子供におやつ代わりにされるような存在だったそうな。

 webを検索してみると、生態もトラギスに近いようで、トラギスと混同されて売られることまであるようだ。

 部屋に戻るとガイド氏からメールが入っていた。

 「寒さと代掻きの濁りで状況は厳しいですが、一生懸命ガイドさせて頂きます」

 …はい、それに応えられるよう、こちらも頑張ります。

 なにより明日もし坊主なら、この旅行『完全試合達成』なんで…。

 てか、代掻きの有無がこんなところで影響してくるとは思わなんだ…。

2013年5月12日日曜日

宮城~福島縦断旅行 その4

5月2日(木) 前半

 モーニングを早めに食べるため、6:30ごろ起きた。

 窓の外には朝日に照らされた阿武隈の山並が見える。


 事前の調べで、南相馬にもバス関係の店があるとわかったので、ちょっと覗いてみることに。

 ホテルを出て、しばらく国道6号線を南下すると、間もなくかつての30km圏内、南相馬市に入る。

 手入れされていない田んぼを除けば、窓の外にはのどかな田舎町の風景。
 
 鹿島区にある件の店に入ると、既に何人かの客がいた。

 ズイールのゲイリーウィッチ、テラー、アンカニーチャップなどを買い、少し話を聞く。

 相馬周辺は東播や淡路島ほどではないにせよ、野池地帯で有名だったそうだが、海に近いところは津波でやられ、残りも地震で軒並み土手が崩れて水抜きされたとか。

 今は真野ダムのスモールがアツいんだそうだ。

 ただ、真野ダムは線量の高めな地帯にあるので、皆あまり長時間の釣りはしないらしい。

 どのみち高線量地帯を通らないと中通りには抜けられないので、ちょっとだけ寄ることにした。

 ポイントまでぬかるむと聞いて、少し先のホームセンターで長靴を調達する。

「除染」という言葉が日常に溶け込んでいた
ホームセンターには意外に客がたくさんいて、大抵の日用品は売っており、作業員用だろうか、使い捨ての全身化学防護服やタイラップも売っていた。

 やがて、ここまで来たんだから、という思いが頭をもたげる。

 すぐに真野ダムへ向かうつもりだったが、時間の許す限り、6号線をさらに南下してみることにした。

 南相馬の中心部である原ノ町を過ぎて、つい最近まで立ち入り禁止だった小高区へ入ると、国道にも地震の影響らしき段差が至るところに現れ、周囲の景色も変わった。

 国道の左右には、津波にやられて崩壊した家屋や店舗、ゴミをぶら下げて折れたままの電柱、田んぼの真ん中に放置された車両がそこらじゅうにあった。

 国道の脇でこの状態なのだから、浜のほうなんて今でもほとんど手付かずのままだろう。

 「どうせなら当時のままのところを見ておくのもいいかもね」
 
 松川浦の釣具屋の店長の言葉が頭をよぎる。

 写真は撮れなかった。


 事前の情報では浪江町との境界まで行くと検問がある、という話だったので、そこで折り返すつもりだった。

 しかし、南相馬市との境界線が通る峠まで来ても、警官の姿やバリケードらしきものが見当たらないので、しばらくそのまま走っていたが、一旦止まって現在地を確認すると、浪江町幾世橋付近と出た。

 かつてサケ釣りで有名だった請戸川を、知らない間に越えてしまっていた。

 誘導員と思しき交差点脇にいた人に聞くと、住民に限り昼間の立入りが許可されており、防犯のために一般車両は市街地へ逸れることは許されないが、国道6号を通行するだけならば、双葉町との境あたりまで行けるようになったのだそうだ。

国道の脇道はこんな感じで塞いである
とはいえ、そろそろタイムアップなので、今来た方向へ戻ることにした。

2013年5月9日木曜日

宮城~福島縦断旅行 その3

5月1日(水)

 ホテルのラウンジでモーニングを食べていると、「お前の滞在期間中は低温と強風に祟られっぱなしだよ」と、天気予報のおねーさんに宣告される。

 まあ覚悟の上で来てるけども。

 中二日は基本的には移動日というのもあって、google mapで道中のルートを考えるうち、昨日も寄った七ヶ浜の北東端、仙台火力発電所の脇に小さな漁港を見つけた。

 ここも津波の痕跡が生々しい。


歯抜けになった松林の向こうに見える発電所も、大きな被害を受けたそうだ。 

 沖向きの堤防にひとりだけ投げ釣りの人がいて、時々いい型のアブラメを釣り上げていた。

 目の前の水道を遊覧船が通り過ぎていく。

 港内は思いのほか水深が深く、ゆっくりラインを沈めて藻の間を狙ったり、崩れた岸壁沿いに流してみたりしたが、特に反応はなかった。

 外向きに投げてみたかったが、折からの強風に加え、ホンダワラが大量に茂っていて、とてもフライでは探れそうになかった。

 港の一番奥には大量のアミがいて、周囲で小魚が跳ねていた。

水中の白いものが全てアミ
豊饒の海を支える重要な餌生物。

 さらにその周りにいるであろう魚食魚を探るも、かかって来るのはゴミばかり…ありゃりゃ。

 まぁ時合とか潮とか一切考えてなかったからねぇ…。

 散歩に来ていた地元の人と少し話した後、道具をたたんで漁港を離れた。

 利府町あたりを走っているとき、トイレと道中の飲み物を確保するためにファミマへ入ったら、あれだけ地元を探しても出会えなかった「メイコの日本酒」がしれっと置いてあった。

めーちゃああああ(ry
二軒のフライショップで、長らく探していた西山さんのバスビデオほか色々と手に入れた後、JR東仙台駅近くの「鐘崎」で笹かまと牛タンスモークを買い入れ、混雑が予想される仙台中心部を避け、仙台東部有料道路で山元町まで南下する。

 左手には、広々と開けた「宮城野」が見渡せ、どのくらい向こうにあるのか、はるかに霞む松林。

 その先は海。

 国土地理院の浸水マップによれば、津波はこの高架を越えて、さらに内陸まで達したらしい。


 代掻きの時期にも関わらず、塩水に浸かった田んぼには、冬枯れの雑草が茂っていた。

 塩害の解消と雇用、産業の確保のため、ここで綿花を栽培しようという動きがあるそうだ。


 岩沼I.C.を過ぎたあたりで交通量は激減、やがて片側一車線になり、そのまま山元町で国道6号に合流する。

 料金所を出てしばらく走り、ナビに映ったため池を見に行くと、地震で崩れたのか土手の工事で水はほとんどない上、フェンスがしてあって「釣り禁止」の看板が…あらら。

 再び国道6号線に戻り、ひたすら南下。

 交通量は相変わらずだが、工事関係の車の比率が高くなってくる。

 やがて阿武隈山塊の東端にかかり、国道は谷間を縫うようにアップダウンを繰り返す。

 とある谷あいに差し掛かったところ、道端に「ここより津波浸水区間」の看板が設置されていた。

 どう見ても谷底から標高20mくらいはあるし、左手は山に遮られて海なんか見えない。

 にわかに信じられなかったが、少し下った道端には、破れたビニールを纏った枯れ木があり、道の西側に伸びる谷間の田んぼは土手が崩れ、灰色の地面に点々と雑草が生えていた。

 津波はこの谷間を駆け登っていったらしい。


 そのうち宮城-福島の県境を越え、新地町に入る。

 県境の小さな峠を越したところに池があり、ちょっと寄ってみることにした。

 車を止めると、土手側にスピニングを持った防寒着姿のバサーが何人かいたが、相変わらず風は強く、気温も10℃前後。

 しばらく広いシャローへキャストを続けたが反応もないし、寒さが我慢できなくなったので撤収。

 悉くお天気おねーさんのおっしゃる通り。


 6号線へ戻り、相馬方面へさらに進む。

 やがてナビは6号線をはずれ、相馬の市街地へ向かう道を示した。

 次の目的は「鳥久」の相馬牛。



 夕飯には早く、昼飯には遅すぎる時間だったが、店主ご自慢のやわらかくて肉汁たっぷりの焼肉定食は、噂どおり実に美味かった。

 レジのおばちゃん曰く、「震災後にボランティアで来た全国の学生さんたちが、地元でこの店を宣伝してくれるから、それを聞いて来てくれる人が多いよ」とのこと。

 お土産兼晩飯、そして酒のアテとしてミンチコロッケを買い、松川浦のそばにある釣具店へ。


 ここの店主は以前から頻繁にブログを更新していて、線量含め現地の様子をこまめに伝えているので、少し話を聞いてみたいと思って寄ってみた。

 たまたま店主が不在だったため、間繋ぎに店主の親父さんが相手をしてくれていたのだが、しばらくすると店主が帰宅したので、改めて当時の話やこれからの話、自分がこの二日で見聞きして感じたこと、神戸の震災のときはこうだった、など長々と話し込んだ。

 店主からは、問題の解消は一代では無理だと腹を括っていること、相馬市内でも被害の度合いやその立場によって認識のギャップがあること、原発の恩恵を受けながら、今は被害者然としている人間たちへの怒り、後継者問題を含めた漁業者の憂鬱、旧30km圏内の被災当時そのままの地区の話、真偽不明の奇怪な目撃談、その他いろいろなことを聞いた。

 「現地へ行けば何か見えるかなと思って来たんですけど、余計にわからなくなりました」

 「なるようにしかならないよ」


 なるようになる。
 
 なるようにしかならない。

 あの頃の神戸も結局そうだった。

 膨大な時間と、日々の地道な積み上げしか方法はない。

 少し買い物をして店主に別れを告げ、夕暮れの松川浦を後に今日の宿へ向かった。

 翌日は長時間運転になるので、ルートと時間配分を考えながらメイコ酒を飲み、アテをパクつくうち、眠くなってきたので風呂に入ってすぐに寝た。


いつもより酒の回りが早かった気がしたが、メイコ酒のせいではないと思う。

2013年5月8日水曜日

宮城~福島縦断旅行 その2

4月30日(火) 後半

 利府バイパスを東進、チャーター船のある塩竈の小さな漁港へ向かうと、津波で破壊されたと思しき痕跡があちこちに。

 また、押し寄せた泥のせいで港が浅くなったらしく、浚渫作業中の看板が出ていた。

 港内をぶらぶら歩いていると、潮の引いた波打ち際で、黙々と何かを掘っている人たちがいる。

 「お昼休みの間に、アサリ取ってるの」とのこと。

 やがて船主が到着し、「海上の風がおさまらないので、やはり出船はできない」と詫びられた。
 
 他には
 「津波で使っていた船が流され、昨年ようやく再開できたところ」
 「この時期はフライだとあまり良くないが、良い時期はソイが浅場でライズする」
 「七ヶ浜の『松ケ浜』あたりなら風裏になるかもしれない」
 との話。

 まあ松島あたりもぐるっと回って、できそうな場所で竿を出してみます、と漁港を後にした。

 ナビで松島町方面への道を調べていると、奥松島の手前に「東名」という見覚えのある駅名が。


  この動画で強烈に印象付けられた地名。

 「…寄っていくか」


 観光客で賑わう瑞岩寺の門前を通り、海沿いの道を奥松島方面へ向かうと、動画にも出てきた陸橋の脇には代替バスの停留所が。

 陸橋を越え、運河の手前を右折し、東名駅へ。


 陸橋の土手にはシバザクラが植えられていた。


線路は撤去されていたものの、踏切横の駅名看板や、周辺のガードレールは津波の力でひん曲げられたままで、運河沿いは水門こそきれいになっていたが、周囲の法面はまだ壊れたままだったり、今まさに解体中の家屋があったりで、まだまだ復興にはほど遠い印象だった。


 南相馬のステッカーを貼った神戸ナンバーのジムニーがたまたま駅前にいたが、こちらを不審そうに一瞥するとすぐに走り去った。

 野蒜方面へ向かう道を右へ反れ、嵯峨渓から宮戸島へ渡り、小さな漁港で写真を撮った。



 さらに島の奥へ進もうとすると、道路の右手にあった小さな入り江の中、それは見えた。


 白いダイハツムーブが、泥の海の中にぽつんと浮かんでいた。


 あれから2年以上経っているのに。

 自分が今走っているこの道から流されたんだろうか。

 かつて自分が起こした、横転事故の時の記憶が蘇る。


 鼓動が早くなり、頭の中でまた葛藤が始まる。


 顔を両手でパンパンと叩き、気合を入れなおしてハンドルを握り、さらに道を行く。

 奥松島パークラインから宮戸の集落に入り、縄文村資料館の前でタバコ休憩。


 このあたりは、縄文時代から人の営みがあり、大規模な貝塚が見つかっているそうだ。

 「…ホテルへ向かおう」


 途中、またあの白いムーブが見えた。


 補修中の砂利道を進んで運河を渡り、東名の陸橋を越えて、再び国道45号線を塩竈方面へ。

 やがて杉の入あたりまで戻ってきたとき、ふと松ケ浜を勧められていたことを思い出し、ちょっと寄ってみることにした。

 先ほど見た光景もあって、躊躇はしたが、せっかく持ってきた道具を塩水に浸したいとも思った。




 外向きのテトラは大きすぎて乗るにはちょっと厳しそうだが、たしかに港内は風裏で、キャストに支障はなさそうだ。

 しかしいざカウントダウンしてリトリーブしてみると、とにかく藻やゴミがやたら引っかかる。

 あまり水質は良くないようで、水面を見るとアカクラゲが長い触手をなびかせて泳いでいた。

 結局数投だけして道具をしまい、写真を何枚か撮って松ケ浜漁港を後にした。


 途中、あちこちにある岩肌に、ぽこぽこと奇妙な穴が開いているのに気付く。

 古代の豪族の墓の跡らしい。


 ホテルに着いてひと段落した後、チャーターボートに払う予定だった金が浮いたこともあり、塩釜駅前の寿司屋で晩飯を食うことにした。

 特上にぎりを頼むと、定番ネタが並んだ大皿が出てきた。

 「美味い…」

 名高い漁業基地だけあって、どのネタも美味かったが、特にアナゴが絶品だった。

 アナゴは瀬戸内産も有名だが、身のやわらかさが全くの別物で、最初は蒸してあるのかとか、種類自体が違うのかと思ったが、どうも生息環境の賜物らしい。

 いくつかお薦めネタを美味しく頂いた後、口直しのイチゴシャーベットを頂くと、手作りらしいこれがまた美味かった。

 ありがちなイチゴ風味の何かではなく、ちゃんとイチゴの味がした。

 回転寿司やスーパーの安物で我慢せずに、たまには贅沢しないとなぁ、と痛感した。

 横に座っていた赤ら顔のおっさんがしきりに大将に絡んで、ちょっと鬱陶しいなぁと思っていたが、去り際に「たまにしか来られないけど、俺もこうやって復興には貢献しねぇとなぁ」とか言いつつ、ぱっと万札を数枚切った。

 目線の先を見ると、店内に津波の到達ラインの印が書いてあった。

 おっさんはガハハと笑うと、また来ると言い残して帰っていった。

 津波は駅前まで到達していて、店主たちは三階に避難して無事だったらしい。

 三階から写したという、泥水逆巻く当時の写真も見せてもらった。

 その後はホテルに帰って風呂に入り、移動の疲れもあってすぐに寝た。

 恐れていた悪夢は見なかった。