R338を佐井村方面へ向かう。
この時はまだ決めかねていたのだが、脇野沢の「むつ湾フェリー」に電話して状況確認をしたところ、乗船の余裕はあるとのことだったので、フェリーで蟹田へ渡り、そこから青森へ向かうことにした。
フェリーの出航は15時半、これで下北滞在のタイムリミットが決まった。
少なくとも15時前くらいには脇野沢へ入らなければならない。
この時点で10時前。
大間町内の入り組んだ道を、はやる気持ちを抑えつつ走る。
新設されたバイパスを下っていくと、奥戸(おこっぺ)の集落。
奥戸川河口からは田畑の間のダートを進み、渓流らしい景色になるあたりまで行く。
途中のには崩落した場所もあったが、一応四駆なのでやり過ごせた。
川沿いは下草もまだ伸びておらず、林道も川のそばにあるので、入渓場所には困らなかった。
奥戸川の流れ。
高低差が少なく、河畔の木も大きいので、フライは振りやすかった。
マグネットがうまく付かないので見てみたら、大量の砂鉄。
かつて採掘運搬用の鉄道が計画されたほど、下北半島は砂鉄が豊富らしい。
ヘアウィングダンを結んで、目の前の流れにキャスト。
二投ほどすると、昨日の苦労がウソのようにあっさり釣れた。
小さいながらも、数年ぶりに手にしたイワナ。
やはりこちらの魚はヘタクソにもやさしい。
全体的に落差は少ないものの、教科書どおりのポイントでは必ず反応があった。
瀬尻を走る魚が見えるというのも、しばらく忘れていた感覚。
やがて現われた淵を、下流から探っていく。
教科書どおりのレーンに、教科書どおりに流すと、もんどりうってヤマメが出た。
「良い型は出たときの音が違う」というのも、また教科書どおり。
パーマークが綺麗な25cmくらい。自分の基準では良型。
顔つきが丸い。メスだろうか。
この時点で11時を過ぎていたので、そろそろ転進しないといけない。
あと一匹追加したら移動、と心に決めて、遡行を続ける。
先ほどより小型ながら顔が尖っている。
メスはほとんど海へ下るので、残留型のオスが多いとは聞くけれど。
自ら課したノルマはあっさり達成できたので、そそくさと川岸をかけ上がり、移動。
林道から国道へ戻り、しばらく走ってまた林道へ入る。
林道沿いの桜も満開。
他にもコブシやマンサク、カタクリなどの花々があちこちで咲いていた。
後から気付いたのだが、その中には例の「トリカブト」も・・・
どうせなら写真を撮っておけばよかったと後悔。
こちらも高低差の少ない流れ。(放流ないらしく、敢えて名は秘す)
先ほどより水量が少ないので、若干不安はあったが…
しばらく反応がなかったものの、少し林道から離れるあたりで反応が出だした。
小さな落ち込みから出た、居付きらしい色合いのイワナ。
特にこのイワナは、お腹がイモリのようなオレンジ色だった。
日の当たる場所から出る魚は、色合いがまた違う。
個人的にはニッコウ系よりも白斑の多いアメマス系が好み。
この時点で時刻は12時を回っている。
頑張れば「ツ抜け」も可能と思われたが、フェリーの時間に遅れるわけにはいかない。
後ろ髪ひかれつつ川を後にした。
結局このヘアウィングダン一本で通した。
すっかりくたびれているが、こんな状態でもまだ浮力は維持している。
今まではあまり使わないフライだったが、また巻いておかないと。
佐井村から脇野沢へのR338は非常に曲がりくねっていて、アップダウンも激しい。
普段から再度山など六甲の山道で慣れているものの、しんどさはその比ではなかった。
今回のようなツマミ食い釣行でもなければ、とてもじゃないが辛くて完走できなかったと思われる。
途中休憩を挟みながら、福浦の集落からの上り口に来たところで、目前の異様な山に気付く。
丁度モヤがかかっていて、いかにもRPGの魔王が棲んでいそうな岩山。
写真を撮りたかったけど、狭い道に往来が思いのほか激しく、止める間がなかった。
後で調べたら「縫道石(ぬいどういし)山」というそうで、東北百名山にも選ばれているらしい。
http://www.toonippo.co.jp/photo_studio/mountains/shimokita/nuidouishi/pic2.html
携帯の写真機能ではこれが限界・・・
一旦かわうち湖方面へ抜ける道との分岐付近で平坦な牧草地に出るものの、しばらくするとまた山中のワインディングロードになる。
道の脇にはまだ残雪がたくさんあった。
やがて山頂を縫うような場所を過ぎ、一気に下り。
すぐそばを脇野沢川が流れているが、見に行ったり釣りをする余裕はなかった。
民家がちらほら見えてきたあたりに道の駅があり、ここで一旦休憩。
時計を見ると15時まであと少しだったので、ミネラルウォーターを買ってすぐに出発。
脇野沢港に着いてチケットを買ったら、丁度フェリーが入港するところだった。
むつ湾フェリー・かもしか号。
対岸の蟹田港と脇野沢港を約1時間で結ぶ。
前日は強風のため欠航していたらしい。
脇野沢港から津軽半島を望む。
港内で釣りをしていた人が、チョイ投げで見事なカレイを釣るも「こんなのいくらでも」。
そして足元のテトラ際には、美味しそうな藻場が。
時間的余裕さえあれば…。
乗船を済ませてデッキに上がると、すぐに船は動き出した。
雪を頂く恐山山地が遠ざかっていく。
脇野沢港のすぐ近くにある「くじら岩」。
そういえばtwitterではあまり出会わなくなった気が…
今度いつ来られるかはわからない。
今回だって、ほぼ10年ぶりの青森訪問だったのだから。
でも、きっと自分のことだから、我慢しきれずまた来ることになるだろう。
そんなことを考えながら下北半島を後にした。
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