2016年8月25日木曜日

仏壇について。

震災前、父方のばあさんの家にあった仏壇は、比較的小型ながら瓔珞や灯篭を備えた、昔ながらの古くてずっしり重いもので、震災でばあさんの家を取り壊す際にも持ち出しは諦めて、比較的簡素な上置き型のものに買い替えることになった。

やがて震災から数年経ち、ばあさんが大往生し、うちの親父が長男だったこともあって、我が家で仏壇を引き取ることになった。

置くところをどうするかという話になり、仏壇の前にお供えを置いたりするのにも便利だし、立ったまま拝める位置だったので、使わなくなった学習机の本棚の仕切りをぶち抜いて安置した。

やがて親父も亡くなり、仏壇の守りをするのは自分になった。

てか、親父が元気なころから、お経あげたり世話してるのは自分だったんだけども。

で、もちろん今の家に移ってからも、四畳半の和室に仏壇台を見繕ってきて、世話は続けていたんだけど、今年はちょっとした事件が。

今年、というかここ数年の夏は酷暑続きで、もちろんお盆なんてその最盛期なわけで。

高坏に出始めの梨をお供えしていたところ、暑さで傷んで水が出てしまった。

それだけならまあ単に不注意で済むところだけど、ちょっと想定外だったのは、仏壇自体がMDFという素材で作られていたこと。

MDFというのは、紙の原料となる木材チップを固めたもので、合板より安くて丈夫、また狂いもないために、手ごろな仏壇や家具にはよく使われているらしい。

ただ、このMDFという素材、要するに硬くて厚い紙なので、吸水するとえらい勢いで膨張する。


㈱指孝久明工房」のサイトより

梨の水分を吸収した仏壇の棚は膨らみ、膳引きが引き出せないわ、引き出しは開かないわ、何より大戸が閉めにくいわという大変な状況になった。

最初はこのMDFの特性がわからず、水がかかったぐらいでなんで木が膨張するのか理解できないので、正直かなり混乱した。

ネットが一般的じゃない時代なら、親族巻き込んで大騒ぎしちゃったんじゃなかろうか。

そうして、どうしたもんだかと仏壇をしげしげ眺めていると、あっちが焦げたりこっちが撓んだりと、気付かないうちに結構傷んでいることに気付いた。

おばさんに相談したところ、お守りしているあんたが納得するようにおまつりすればいいとのこと。

まずはご本尊と脇侍、父方の爺さんばあさん、そして親父の位牌に手を合わせたあと、とりあえず膳引きの上側の棚を削り、引っ掛かりをなくす応急処置。

そして今は近隣の仏壇屋を見て回ったり、ネット通販で色々調べているところ。

まずうんざりしたのが、仏壇に限ったことではないんだろうけど、とにかく詐欺サイトが鬼のようにひっかかってきて、まっとうに商売しているであろう仏壇屋のサイトが埋まってしまうこと。

URLが異様に長く、ドメイン末尾がロシアとかフランスとか、どう考えても仏壇は売ってへんやろという国ばかりなので、よく見ればわかるとはいえ鬱陶しくて仕方ない。

そしてAmazonでも仏壇が買えてしまうという事実に改めて驚く。

まあお急ぎ便とかめっちゃ助かるやろなぁとは思うけども。

仏壇の製法にもいろいろあって、今の仏壇のようにMDFに着色や木目プリントしたもの、合板や外材に銘木の薄板や厚板を張り合わせたもの、銘木をふんだんに使用した最高級品など、探せばピンからキリまで。

マーベル家具工業」のサイトより


また、極力装飾を排して、洋間やリビングに置いても違和感のないシンプルなもの(これも銘木の無垢からプリントMDFまでピンキリ)や、数千円台のカラーボックスみたいなやつまである。

さすがにもうMDFはこりごりなんで、今度はせめて厚板貼か無垢材ぐらいにしたいなと思って探していると、だんだん好みみたいなのが出てくる。

ダルマ型じゃなく志輪(しりん)型がいいとか、せめて天井には略式でも宮殿(くうでん)がほしいなとか、須弥壇(仏壇の最上段)には、きちんと勾欄(欄干)がないとなあ、とか。

とはいえ、真っ当なのはやはり結構なお値段になるので、最後は財布と相談にはなりますが。