2018年9月4日火曜日

嵐の前の。

台風21号に備え、会社は休み。

が、律儀なことに、いつもの起床時間に目覚める。

テレビもラジオもネットも、夜明け前から「今回のは通常の台風じゃない」と、厳重な警戒を呼びかけている。


XRAINや近隣のアメダスの様子を見ると、昨夜に引き続き微風、台風本体もまだ室戸岬のはるか向こう。

当座の食料は日曜に買い出しをしてあるし、昨日のうちに日除けを畳み、今回は念のため物干し竿も降ろしたので、改めて特にすることがない。

…よし、釣り行くか。(おい


海辺の河口に架かる橋から海を見ると、昨日よりうねりは落ち着いて見える。

そして、河口の小波止の先端近くに、ぽつんと人影が見えた。

釣りをするでも、海を眺めるでもなく、ただただ背中を丸めて段差に座り、視線をつま先に落としている。

ツッカケ履きにヨレヨレのTシャツ姿で、遠目にも生気がない。


「近づいたらあかん」と、内なる何かが強く語りかけてきたので、とりあえず見なかったことにして漁港に向かう。

大波止には常連の姿がなく、いるのは鉄板を投げる人がひとり。

まあこんな日に釣りに行こうと思う人は少ないわな。

一昨日より遅く出たので、最初からジグサビキでいく。

しばらくやっていると、ウルメイワシがポンポンと釣れた。

サイズは10cmそこそこだけど、とりあえず短時間で切り上げないと危ないので、釣れたそばからジップロックに投入。

やがてウルメイワシも去ったのか、アタリがなくなったので、さっきの小波止へ転進。


さっきの男は、まだ同じ体勢で座っている。


先端付近でないと浅くて釣りにならないので、男のそばを通るしかない。

やだなぁ…と思っていたら、警官のバイクが到着。

少し離れたところで、様子を伺いながらキャロをリグっている自分を追い抜き、すたすたと男のところへ向かっていく。

警官が何やら話しかけているのはわかるが、徐々にうねりが強くなり、風も出てきたせいで、話し声は全く聞こえない。

キャロを組み終わり、意を決して、男と警官の後ろを通るべく進む。

誰かが忘れたのか、それとも20号の高波が打ち上げたのか、二人から2~3歩のあたりに、片刃のハサミが落ちていた。

それを見た瞬間、とてつもなくイヤな予感がしたので、そっと海へ蹴落とした。

先端はテトラになっているが、風裏なのもあって、まだうねりは直接ぶち当たって来ていない。

できるだけ二人との距離を取るべく、最先端のテトラに乗る。

たまたまバッグに容器が放り込んだままになっていたので、キャロの先の軽量ジグヘッドにガルプを刺して、河口の砂地へ投入。

ちょっと早めにズル引きすると、すぐにココングーッと食い込むアタリ。

小さくてもきれいな魚ですな。
最近はチャリコが非常に増えているとか。

これがそのまま明石鯛に育つかというと、それほど海の中は甘くないあたりがなんとも。

どのみち雀寿司サイズなので、お帰り頂く。

いつの間にか、二人の姿は波止から消えていた。

しばらくすると、フグの活性が上がってきたのか、アタリもないのに空鈎で戻ってくるようになった。

少し投入の向きを変え、底を取って引いてくると、ガンと何かが食った。


砂地で浅いのもあるけど、明るい時間帯だからか、ちょっと白っぽい。

そちらの向きでもフグの猛攻が始まったのと、遠目にも雨雲が近づいてくるのが見えたので、いよいよ撤収。

帰宅するまで降りこめられなかったが、とりあえず持ち帰ったウルメイワシを手開きして、オリーブオイルで香草焼きにしているうちに、風が強くなってきた。

いよいよ本格的に、今年最強、いや平成最強クラスの台風がやってくる。