水出しの麦茶が傷んでたかなぁとか思いつつ、痛みをこらえてみても、いつまでたっても痛みが引かないし、熱も出てきてひどい汗に。
とりあえず仕事休んで、近所の病院へヒーヒー言いながら朝イチで転がり込む。
冷や汗たらしながら待合で待たされ、対応した医者は触診もせずに痛み止めだけくれた。
この痛み止めジェネリックだったせいかしらんが、びっくりするほど効かない。
あんまりだったんで、腹立って昼から再受診。
すると、朝と昼で医者が交代するようで、朝のセンセは触診もしてくれんかったと訴えたら、ほなやっときますかと触診してもらえた。
痛いのはどのへん?…へそより上か。
ほなここら痛い?…ほー痛そうやね…まあ胆石でしょうな。
紹介状書くから、明日は近所のもっとでっかい病院へ行って。
まあ処方考えたら、午前中のセンセも見立ては一緒やったんやろなと。
胆石程度なら、鎮痛剤で収まっちゃう人も普通にいるからねぇ。
というか、10年ぐらい前、職場で似たような状態になって、辛すぎて早退途中の電車内で何度か気を失いつつ、我慢しきれず乗換駅近くの大病院に駆け込んだものの、結局診療時間外で当直さんしかおらず、一応もらった鎮痛剤で収まったんで原因不明だった謎の腹痛とか…
数年前にやはり腹痛でのたうち回ったとき、腹にたまたま「触れるだけで激痛が走る発疹」が出てたんで、皮膚科で帯状疱疹の抗ウィルス薬と鎮痛剤を貰ってやり過ごしたやつも…
どっちもおそらく胆嚢炎だったんだろうなぁと。
で、翌日からコロナワクチン二回接種を挟みつつ、検査まみれの9月を過ごし、晴れて10月半ばに入院が決定。
事前に「禁煙できてなかったら麻酔がうまく効かないし、治りも悪くなるから手術してやらない」と、わりと直接的に脅されたんで、長年続けていたたばこを、一週間前にすっぱり辞めた。
初日と三日目と7日目に吸いたくなる、とは言われていたけれど、とにかく持ち歩かないようにしていたら、そのうち体が諦めたらしくて、極端な反応は出なかった。
意志が強いんだか、単に諦めがいいんだかはわからない。
あと、隣の人の寝息や咳払いが気になるのもなぁ、と思って、予め個室でお願いした。
手術自体はごく一般的な腹腔鏡下胆嚢切除手術なので、入院翌日にさくっと終わった。
出てきた石がまたでかくて、親指の爪ほどあるのが2個と、その半分程度のがいくつか。
石がでかかったんで、摘出のためにへその部分の傷が他人より少し大きいらしい。
胆嚢というのは基本的に胆管から小ナスがぶら下がったみたいな形をしてるはずなのに、胆嚢本体と胆管との間の部分に、その石がごろごろ詰まっていたせいで、自分の場合はMRIの胆嚢の画像が、ゆるいZ型に変形していたぐらい。
全身麻酔だったので、ほんとに寝てる間に済んじゃってて、術後に何度かICUで絡んだ痰を取ってもらった記憶がある程度。
その後、目が覚めたら既に病室に戻ってて、ちょっとへそのあたりが痛てぇなぁ、ぐらいだったんだけど、術後の採血でγ-GTPとかの値が急上昇、軽く黄疸まで出ていることが発覚。
典型的な「胆嚢摘出後症候群」というやつで、一時的なものである可能性は高いものの、万一手術中に誤って胆管内に落ち込んだ胆石の破片とかで、胆管が炎症を起こしている場合があるんで、翌日ふたたび口から内視鏡を突っ込んで、十二指腸経由で胆管を確認することに。
これが本当にきつかった。
一旦酸素マスクつきで戻った病室から、ベッドでそのまま再び手術室へ運ばれ、まだあちこち機械に繋がれた状態で、よいこらしょあだだだだと呻きながら手術台へ自力で移動、痛む傷口を下にしてうつ伏せで顔だけ横向けにされ、口にマウスピースを突っ込まれる。
これだけでも結構な心的ストレスがあるところに、二日連続だったから投与を加減したのか、鎮静剤が途中で切れて、目前でセンセたちが口の中に内視鏡と針金みたいなのをごりごり突っ込んでる様子を見せられ、腹の中が今まさにいじられてるのがモロに伝わってきた。
はよ!鎮静剤追加はよ!という思いで「んごぉぉ」と呻いてみたのは覚えてるけど、それが伝わったのかどうか、それ以降の記憶はきれいに途切れてる。
気付いたら再び病室に戻されていて、手の甲からは抗生物質やらなにやらの点滴、胸には心電図、口には酸素マスク、そして尿は膀胱からカテーテル経由で排出という状態に。
かろうじて手の届くところに、持ち込んだスマホがあったんで、その状態で写真を撮った。
ここまで弱ってる自分自体、そうそう見られるもんじゃないし、次こういう状態になるのは、下手すれば死ぬ直前とかだろうし…。
問題は就寝時で、喉に色々突っ込まれた後だったし、しつこい咳払いは仕方ないにしても、やたら寝言を言ったり、気付いたら意味なくブーブーと唇を鳴らしていたり、自分の様子があまりにもおかしかった。
あれも術後譫妄の一種だったんだろうか。
まさか自分が騒音の発生源になるとは思わなかったけど、そういう点ではむしろ個室にしておいて良かったなと。
その後は点滴やカテーテルも外されて、寝言や異常行動?も日を追うごとにもなくなり、痛み止めを飲みながら、病室のある階から1階のコンビニまで階段で往復できるまで回復。
最初のうちは胃腸も万全じゃないから、食事も三分粥で、これはまだ食べられる有難さを思いながら食べられた。
辛かったのは全粥に戻ってからの2日ほど。
食べやすい食材ばかりではあるものの、既に味付け等は通常の食事と同じ状態のおかずを、小丼ほどある量のお粥で食べなきゃいけない。
これが思いのほか辛かった。
お粥が嫌いとかじゃないんだ、ほんっとーに飽きるんだよ、塩すら入ってないお粥って。
…まあ、胆石自体が長年の不摂生のツケみたいなところがあるんで、病院の食い物に文句言うのは違うよなぁと思って、黙って食べてたけども。
2日あけた再検査の結果、各数値は下がってきたので、いよいよ退院日が確定。
あらかじめ高額医療費に対する限度額適用認定票を貰っていたので、平均月収分対応額+差額ベッド代を合わせても、支払額は十分予想の範囲内で済んだ。
まあちゃんと約款読んどけって話ではあるけど、長らく掛けていた小口の傷害保険が外傷専用で、胆嚢炎の入院が対象外なのには驚いたけども。
基本的に抜糸はないので、あとは2週間後の外来を残すのみ。
だけど、ここからまだしばらく重量物は持てないし、あと数日程度は自転車にも乗れない。
当然、しばらくは釣りも我慢になるので、このまま今年も青物ナシかなぁと。